矢野経済研究所は9月24日、国内における洋上風力発電の市場規模は2025年度に3070億円、2030年度には9200億円に成長するとの予測を発表した。洋上風力発電は、1計画で原子力発電所1基分に相当する大規模な再生可能エネルギー発電所としての期待が高まっているという。
調査レポートによると、国内では適地がほぼなくなってきたと言われる陸上風力発電と比較して、洋上風力には膨大なポテンシャルがある。開発・建設のための法律が整備されてきたことから、本格的に市場が立ち上がっていくと期待されている。
2020年度に洋上風力の建設工事などの新設に係る業務が開始され、20億円の市場規模から立ち上がっていくと予測する。2021年度以降は新設工事が順次本格化し、2023年度には運転が開始される見通し。
一方、現在の洋上風力発電所の計画では、漁業関係者との調整のほか環境影響評価、事業性調査(FS)などを含むすべての準備作業を事業主体が行う必要がる。しかし、民間事業者がこれらを行うには、経済的な負担や手間・時間などの多くのハードルがあり、実際の事業化まで辿り着かない恐れもある。
現在の議論では、促進区域については国が各種調査から調整までを事前に進め、事業者は発電所の建設から取り掛かれる「セントラル方式」の導入が望まれている。海外の事例では、オランダが既にセントラル方式を導入している。