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マレーシアで5ha規模の藻類培養設備、ジェット燃料を製造

2020/10/08 07:02
工藤宗介=技術ライター
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ちとせグループが設計・監修を担当したサラワク生物多様性センター(SBC)敷地にある1000m2の藻類培養設備
(出所:ちとせグループ)
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 バイオベンチャー企業群ちとせグループの中核企業ちとせ研究所(川崎市)は、バイオジェット燃料の製造に向けて、マレーシアで5ha規模の微細藻類培養設備を構築する。マレーシア・サラワク州の州立研究機関であるサラワク生物多様性センター(SBC:Sarawak Biodiversity Centre)、サラワク州政府系の電力会社サラワク・エナジーらと共同研究開発に取り組み、藻類の長期大規模培養技術の確立を目指す。10月5日に発表した。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築、微細藻類基盤技術開発」で採択された。提案したテーマは、「熱帯気候の屋外環境下における、発電所排ガスおびフレキシブル プラスチックフィルム型フォトバイオリアクター技術を応用した大規模微細藻類培養システムの構築および長期大規模実証に関わる研究開発」となる。

 ちとせグループは、これまで微細藻類培養について国内外で複数の屋外実証プロジェクトを実施し、一部を商業化した実績がある。今回、事業化を目指す上で最小単位である5ha規模で実証する。過去の知見を活用し、熱帯気候の屋外環境下におけるバイオジェット燃料製造に最適な微細藻類を選定。同微細藻類種を含む複数の微細藻類種を用いて、火力発電所排ガスを利用した大規模な藻類培養を実証する。

 また、実証データを基にバイオジェット燃料の普及を見据えたTEA(技術経済分析)、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施する予定。5ha規模での生産を踏まえ、5年以内に同地域における生産規模を20~40haに拡大し、バイオジェット燃料以外にもバイオプラスチックなどの藻類由来製品を開発するなど、藻類バイオマス産業の構築を目指す。

 ちとせグループでは、鹿児島県に国内最大級の藻類生産実証試験設備を構築し、燃料用藻類(ボツリオコッカス)のパイロットスケールにおける長期連続生産に成功した。また、静岡県掛川市で食用藻類(スピルリナ)の屋外大規模培養を行い生スピルリナ製品の事業化に成功。現在はブルネイに工場を設立し生産している。さらに、三菱商事とSBCが設立した1000m2の藻類培養設備の設計・監修を担当し、2013年から現場プロジェクト運営やSBC研究員への技術指導を行ってきた。

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