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トヨタと日野、北米向け大型「燃料電池トラック」共同開発

2020/10/13 21:48
工藤宗介=技術ライター
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共同開発する大型燃料電池トラックのイメージ
(出所:トヨタ自動車、日野自動車)
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 トヨタ自動車の北米現地子会社Toyota Motor North America(TMNA)と、日野自動車の米国販売子会社の日野モータース セールス U.S.A.(米国日野販売)、生産子会社の日野モータース マニュファクチュアリング U.S.A(米国日野製造)は、北米市場向けに燃料電池(FC)大型トラックを共同開発する。10月5日に発表した。

 日野が北米市場で展開する大型トラック「HINO XLシリーズ」のシャーシーをベースに、トヨタの燃料電池技術を組み合わせることで、総重量40tのFCトラックを開発する。2021年の前半に試作車両を開発し評価を進めていく。両社の知見を合わせることで、商用車としての実用性と、優れた航続距離(1回の充填で走行できる距離)と環境性能を持つゼロ・エミッション車を短期間で提供可能としている。

 両社は、3月に日本国内向けFCトラックの共同開発を発表。総重量25tの「日野プロフィア」をベースに、トヨタの次期FC車「MIRAI」用に新たに開発されるFCスタック(燃料電池本体)を2基搭載し、日野の大型ハイブリッド技術を応用した車両走行制御を組み合わせることで、航続距離600kmを目指す。今回の北米での取り組みは、これをさらに発展させたものになる。

 TMNAでは、米トラックメーカーのKenworthとの間でも共同で開発しており、2019年4月にFC大型商用トラックを披露した。Kenworthのトラック「T680」をベースに、MIRAIのFCシステムを応用したパワートレインを搭載し、航続距離は平均的な1日の運送距離の2倍となる300マイル(約480km)を実現した。

 トヨタは、ロサンゼルス市港湾局が推進する、貨物輸送のゼロ・エミッションを目指す「ZANZEFF:Zero-and Near Zero-Emission Freight Facilities Project」に、Kenworthやエネルギー企業のオランダRoyal Dutch Shellらとともに参画。同プロジェクトでは、FC商用車の導入に加えて、再生可能エネルギーから水素を作る「Tri-Genステーション」の整備などを推進している。

 なお、燃料電池の応⽤動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界水素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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