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関西、中部、東北で「水素連合」、再エネ大量導入控え

2020/10/16 19:30
工藤宗介=技術ライター
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福島県浪江町に稼働したメガソーラーによる水素製造施設
(出所:日経BP)
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 水素社会の実現に向け、企業同士が連携する動きが相次いでいる。背景には、太陽光・風力発電という変動型再生可能エネルギーの大量普及を控え、水素を二次エネルギーとしたシステムの実現性が高まっているという見方がある。

 日本政府は、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の中で、当面の目標として「2030年に年間30万tの水素を利用する」という大規模な水素供給システムの確立を掲げている。

 中部圏では、3月6日に「中部圏水素利用協議会」が設立された。産業界を横断した協議会を立ち上げることで、大規模な水素利用の具体的な方策を検討し、2020年代半ばからの本格的な普及を目指して活動していく。

 具体的には、海外からの大規模な水素輸送を想定した中部圏における水素サプライチェーンの検討、企業活動やモビリティでの利用など中部圏全体での水素利用量のポテンシャルの試算、各需要サイドで受け入れ可能な水素コストの検討、実現に向けた技術面・金融面・制度面での課題を整理し必要な施策と普及につなげる事業モデルを提案していくという。

 設立時点の参加企業は、出光興産、岩谷産業、JXTGエネルギー(2020年6月にENEOSに社名変更)、住友商事、中部電力、東邦ガス、トヨタ自動車、日本エア・リキード合同会社、三井住友銀行、三菱ケミカルの10社。事務局は、住友商事とトヨタ自動車、三井住友銀行が務める。

 神戸・関西圏では、9月4日に「神戸・関西圏水素利活用協議会」が設立された。2030年の本格普及への道筋や2025年ごろの商用化実証に関する具体的なスキーム構築を目指し、関西圏における水素利活用の事業モデルの検討、普及に向けたロードマップの作成や課題の明確化などを通じて国や自治体へ政策を提言していくという。

 関西圏は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業として、CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)による水素サプライチェーン実証(神戸空港島の貯蔵・揚荷設備)、神戸ポートアイランドにおける水素コージェネレーションシステム実証、関西地区における水素発電導入可能性調査など、水素供給および活用に関して多くのプロジェクトがある。協議会は、これらを一層加速させることを狙う。

 設立時点の参加企業は、岩谷産業、大林組、川崎汽船、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、シェルジャパン、電源開発、丸紅、三菱パワー、ENEOSの11社。事務局は、岩谷産業と丸紅が務める。また、経済産業省資源エネルギー庁、NEDO、神戸市がオブザーバーとして参加する。

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