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JERA、アンモニア・水素で「ゼロエミッション火力」推進

2020/10/19 21:55
工藤宗介=技術ライター
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JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ
(出所:JERA)
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 東京電力フュエル&パワーと中部電力の折半出資会社であるJERA(東京都中央区)は10月13日、2050年時点で国内外の同社事業で排出されるCO2実質ゼロを目指す長期ビジョン「JERAゼロエミッション2050」を発表した。

 「JERAゼロエミッション2050」の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入とともに、よりCO2排出の少ない燃料による「ゼロエミッション火力」に転換する。また、国・地域に最適な手法とそれを示したロードマップを策定する。低い技術リスクで円滑に脱炭素社会に移行するために、技術革新により利用可能となった信頼のおける手法を組みわせること(スマート・トランジション)によってCO2排出ゼロを目指す。

 まずは国内事業におけるCO2ゼロの道筋を示した「JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ」、およびゼロエミッション実現に向けた2030年時点での環境目標「JERA環境コミット2030」を策定した。政府が示す2030年度の長期エネルギー需給見通しに基づく、国全体の火力発電からの排出原単位と比べて20%減を実現するとしている。

 2030年までを「実現に向けて実行する期間」として、非効率な石炭火力発電をすべて停廃止することを掲げた。合わせて、アンモニア混焼の本格運用開始、水素混焼の実証・技術的課題を解決していく。このほかにも、洋上風力を中心とした再エネ開発促進、天然ガス火力発電のさらなる高効率化にも努めていく。

 また、2050年までを「実現に向けてチャレンジする期間」とし、2030年代前半までにアンモニア混焼率20%を達成、2040年代の専焼化開始を目指す。水素混焼は2030年代に本格的に運用し始め、その後混焼率を拡大する。2050年時点で専焼化できない発電所から排出されるCO2は、オフセット技術やCO2フリーLNGなどを活用する。ロードマップは今後、政策などの前提条件を踏まえて段階的に詳細化する予定。

 こうした水素利用の動向に関しては、日経BP 総合研究所が7月31日に発行した「世界水素ビジネス-全体動向編-」の中で、「作る」「運ぶ/貯める」「使う」ための各種技術の解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの水素普及シナリオを紹介している(「世界水素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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