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IEAの年次レポート、「太陽光が新たな王に」

2020/10/21 21:05
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 国際エネルギー機関(IEA)は10月13日、毎年公表している世界のエネルギー概況をまとめたレポートの2020年版「World Energy Outlook 2020」を発表した。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、激動の年となっている。これはエネルギー分野にとっても同じである。「多くの混乱を引き起こし、今後数年間、傷跡を残すだろう」と予測している。

 2020年は、世界のエネルギー需要が5%減ると予想している。エネルギー関連への投資も18%減る。

 IEAは、この激動が再生可能エネルギーへの移行を加速させる方向に働くことを期待しており、各国政府がどのように対応するかにかかっているとしている。

 中でも、太陽光発電は、今後10年間に想定される4通りのシナリオのうち、どの想定でも「主役を演ずる」と予想している。

 IEAのファティ・ビロル事務局長(Fatih Birol, Executive Director)は、「太陽光発電が、世界の電力市場の新たな王になる(I see solar becoming the new king of the world’s electricity markets.)と評している。

 太陽光発電は、政策による支援、技術と市場の成熟が噛み合って、世界の主要市場で資金調達もしやすくなった。ほとんどの国で新規の石炭・ガス火力発電所よりも安価になり、最低単価の電力コストを実現する例もいくつか出てきている。

 シナリオの1つでは、今後10年間の世界の電力需要の伸びの80%を再エネが満たし、その成長源は太陽光発電となっている。ただ、再エネの発電量としては、この時点でも水力が最大であることに変わらない。

 風力と太陽光の合計で、2019年の約8%から約30%まで増える。太陽光の容量は年率10%以上で増え続ける。

 石炭の需要は減り、エネルギーミックスでも2040年に世界全体で20%を下回る見通しである。これは、産業革命以来、初めてとなる。石油の需要も今後10年で伸びなくなる。

 今後の10年間で、水素と炭素の回収・利用・貯蔵も大幅に増えると予想している。

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