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独ボッシュ、2022年に燃料電池スタック量産、再エネ水素で脱炭素へ

2020/10/23 11:31
工藤宗介=技術ライター
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燃料電池で駆動する電動車両のイメージ
(出所:ボッシュ)
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 ドイツの自動車部品大手ボッシュは、道路輸送の分野で炭素中立の実現を目指している。小型商用車から大型トラックまでの全ての車両クラスにおいて、内燃機関や蓄電池、燃料電池まで、さまざまな種類の効率的なパワートレインの開発を進めている。10月8日に発表した。

 商用車は、CO2排出量が運転特性、積載量、走行距離に応じて大きく異なり、パワートレインへの要求は多岐にわたる。小型車両は市街地の配達ルートのような短い距離を走行し、大型トラックは物資や商品を長距離輸送する傾向がある。EU要件を満たすには、2030年までに小型商用車と大型トラックの両方でCO2排出量を大幅に削減する必要がある。

 同社の小型商用車向け電動パワートレイン「eCityTruck」は、ゼロローカルエミッション(地域内の排気ガスゼロ)を実現する。蓄電池の設計次第で最大200kmを走行できる。小型商用車の多くは1日あたりの配送ルートが80kmであることから、1回の充電で十分に走行可能としている。

 重量7.5t〜26tの地域配送トラックおよび市内バス、長距離バス、特殊用途向けの「eRegioTruck」は、半径250km圏内の地域交通に対応する。モーター、インバーター、車両制御ユニットから構成される。

 長距離輸送向けには、世界中の顧客に合わせてディーゼル、天然ガス、蓄電池、燃料電池から最適なパワートレインソリューションを提供する。さらに現在、内燃機関における水素利用の技術課題を調査しており、この技術の市場性を検討している。燃料電池とハイブリッド駆動を含む「eDistanceTruck」は、重量40tのトラックを電気モードで1000km以上走行できるようになるとしている。

 特に燃料電池は、再生可能エネルギー由来水素を燃料とすることで炭素中立を実現する。同社は現在、スタートアップ企業であるPowercellと協働して、燃料電池スタックの市場投入に向けて準備を進めている。2022年に燃料電池スタック(本体)の大量生産を開始、2023年には完全な燃料電池システムとなる燃料電池パワーモジュールを発売する予定。現在、EUが出資するH2Haulプロジェクトの一環で、燃料電池トラックの小規模フリートを製造し公道走行を行っている。

 なお、燃料電池の応⽤動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界水素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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