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三菱重工とヴェスタス、「陸上風車」「水素」にも連携範囲を拡大

2020/10/30 19:51
工藤宗介=技術ライター
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国内で回るヴェスタス製の風車
(出所:日経BP)
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 三菱重工業は10月29日、デンマークの風力発電設備メーカーであるヴェスタス(Vestas Wind Systems)と、持続可能なエネルギー分野におけるパートナーシップを拡大する協定に調印したと発表した。三菱重工が持つヴェスタスとの合弁会社の株式とヴェスタスの株式を交換するほか、日本での合弁会社を新たに設立する。

 協定に基づき、三菱重工が保有する両社の合弁企業MHIヴェスタス(MHI Vestas Offshore Wind)の株式50%をヴェスタスが取得し、ヴェスタスの株式2.5%(504万9337株式に相当)を三菱重工に新たに割り当てる。合わせて、三菱重工からヴェスタスへ取締役1人を推薦する。

 ヴェスタスは、MHIヴェスタスの同社グループへの統合計画策定を直ちに開始し、クロージングまで販売、技術、製造拠点、調達における相乗効果に焦点を当て、顧客関係の維持、コスト削減、共通文化構築を目指す。MHIヴェスタスの2020年の連結売上高は約14億ユーロ、EBITマージンは約4%になる見込み。

 株式取引は、10月28日までの直近5日間のナスダック・コペンハーゲン市場におけるヴェスタス株式の出来高加重平均価格に基づくと約7億900万ユーロになる。各国の競争当局の承認が必要となることから、取引の完了は2020年度第3四半期~第4四半期になる予定。

 株式取引の完了後、両社は日本における陸上・洋上風力発電設備の販売を目的とした合弁会社を設立する。ヴェスタスは、三菱重工の協力のもと、日本の市場規模の拡大とコスト競争力が許す限り、アジア地域向けサプライチェーンおよび日本での生産を確立する。合弁会社は、三菱重工が過半を出資する予定。

 このほかにも両社は、グリーン水素分野で共同開発を行う。洋上風力発電のコストが下がったことで、発電した電力を水素などに転換して産業用・輸送用に活用する脱炭素の動きが欧州を中心に高まっている。この分野において三菱重工は、バリューチェーン全体に貢献できる専門性と経験を持っているという。

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