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全日空、バイオマス由来燃料を調達、フィンランド企業と覚書

2020/10/30 20:38
工藤宗介=技術ライター
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排ガス原料のSAFでデリバリーフライトを実施した様子
(出所:全日空)
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 全日本空輸は10月26日、フィンランドの「持続可能な航空燃料(SAF)」の製造会社NESTEとの間で、バイオマス由来の航空燃料の調達に関する中長期的な戦略的提携について覚書を締結したと発表した。2023年以降にNESTEがシンガポール製油所で商業生産する「持続可能な航空燃料」を全日空が調達し、日本発の定期便に使用する予定。

 これに先立ち、「持続可能な航空燃料」の輸入・品質管理・空港への搬入までのサプライチェーンをNESTEおよび伊藤忠商事と共同で構築し、バイオマス由来燃料比が30~40%程度の混合燃料5500tを調達した。東京-ロンドン間をボーイング777-300ER型機で運航した場合、片道換算で約60便に相当する。10月24日以降の羽田・成田発の定期便で使用する。

 NESTEが製造する「持続可能な航空燃料」は、廃食油・動物性由来油脂などバイオマスを原料にしたもの。ジェット燃料の国際規格ASTM D1655およびDEF STAN 91-091を満たしており、既存ジェット燃料と同じ安全性が担保されている。また、国際的な第三者認証機関ISCCによるライフサイクル評価で、日本までの輸送を含めて既存ジェット燃料使用時と比べて約90%のCO2削減効果が証明されている。

 全日空は、2050年までに航空機の運航で発生するCO2排出量を、2005年比で50%削減することを目標に掲げている。また、NESTEの現在のバイオマス由来燃料の生産量は年間約10万tで、今後シンガポールとロッテルダムの生産能力を増強し2023年までに年間約150万tに拡大する計画。

 同社はすでに昨年10月、排ガスを原料とする「持続可能な航空燃料」を使用し、米国ワシントン州のエバレットから羽田への新造機デリバリーフライトを三井物産と共同で実施した。こちらは、米LanzaTechが、製鉄所や製油所などの排ガスからエタノールを製造した。全日空はLanzaTechと、2021年以降に米国で製造・供給する「持続可能な航空燃料」購入について、合意している。

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