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東芝、バイオマス発電で「カーボンネガティブ」、CO2分離回収で

世界初の大規模CCS付きバイオマス、大気中のCO2を削減

2020/11/02 20:37
工藤宗介=技術ライター
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CCS実証設備
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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CCSの仕組み
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は10月31日、グループ会社であるシグマパワー有明(川崎市)のバイオマス発電所「三川発電所」(福岡県大牟田市)に大規模CO2分離回収(CCS)実証設備を設置し運転を開始したと発表した。世界初の大規模BECCS(CCS付きバイオマス発電)対応設備になる。

 同発電所は、カーボンニュートラルとなるバイオマス発電所で、主燃料はパーム椰子殻(PKS)、出力は50MW。東芝エネルギーシステムズは、2009年9月に同発電所内に1日あたりCO2回収量10t規模のパイロットプラントを建設し、CCS技術の開発、改良、実証を進めてきた。

 今回稼働した大規模CCS設備は、2018年2月から同発電所の隣接地に機器を納入し、据付を開始、これまで試運転を行ってきた。1日の排出量の50%にあたる500t以上のCO2を分離回収できる。火力発電所から排出されるCO2の50%以上を回収できる設備は日本初という。

 実証実験を通じてCCSの技術、性能、コスト、環境影響、発電所と統合した運用性などを評価していく。カーボンニュートラルとなるバイオマス発電所にCCS技術を適用することで、過去に排出され大気中に蓄積したCO2を除去・削減する「ネガティブエミッション」を実現することになるという。

 環境省の「環境配慮型CCS実証事業」の一環。同事業の委託先は、東芝エネルギーシステムズ、みずほ情報総研、千代田化工建設、日揮、三菱マテリアル、大成建設、ダイヤコンサルタント、QJサイエンス、日本エヌ・ユー・エス、産業技術総合研究所(産総研)、一般財団法人・電力中央研究所、東京大学、九州大学、上野トランステック、三菱商事天然ガス開発、国際石油開発帝石(INPEX)、一般財団法人・石炭エネルギーセンター(JCOAL)、太平洋セメントの18法人になる。

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