新規案件「前年割れ」が増える
太陽光発電協会(JPEA)は、独自に実施したアンケート調査の結果から、「太陽光発電の新規案件開発と導入量が急減しており、事業者・人材の育成および産業の持続的成長が危ぶまれる」との見解を示した。経済産業省が10月30日に開催した調達価格等算定委員会において明らかにした。
アンケート結果によると、2019年度の住宅太陽光(10kW未満)の導入件数は15万1644件だった。2918年度の14万6640件からは微増だったが、ピークだった2012年度の42万6868件からは大きく減少した。また、2019年度の新築と既築の比率は8対2で、新築はZEH(ゼロエネルギー住宅)仕様などで導入が継続する一方、既築は減少傾向が続いているという。
また、事業用太陽光(10kW以上)の2019年度における新規稼働量は、既認定案件の運開により4.8GWを維持する一方、固定価格買取制度(FIT)による新規認定量が大幅に減少する可能性があるとした。2020年度についても、自家消費が要件となった低圧事業用太陽光(10kW以上50kW未満)のFIT申請は前年度比で大きく減少している可能性が高く、FIT入札対象の高圧案件(250kW以上)についても募集枠に満たない可能性が高いという。
2020年度の新規案件の開発状況については、設備規模にもよるが50~90%の事業者が「前年割れする」と回答し、好調とは言えなかった2019年度と比べてもさらに低調となる見込みとしている。2021年度については、75~90%が「前年割れ」と回答し、案件開発がさらに困難とみる事業者が多いという(図1)。