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東芝、独VPPと合弁、FIP見据え再エネ事業者を支援

2020/11/06 21:20
工藤宗介=技術ライター
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新会社のビジネスモデル
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は11月4日、ドイツのVPP(仮想発電所)事業者であるネクストクラフトべルケ(Next Kraftwerke)との間で、合弁会社「東芝ネクストクラフトベルケ」を設立することに合意したと発表した。日本国内におけるフィード・イン・プレミアム(FIP)制度導入を見据えたエネルギーリソース運用支援サービスを提供する。今月中に新会社を設立し、事業を開始する予定。

 日本では、2021年4月から電力の需給調整市場が段階的に立ち上がる予定で、再生可能エネルギーや蓄電池などの分散電源の活用が期待される。また、2022年4月からは、固定価格買取制度(FIT)からFIPへの移行が予定される。FIP制度下で発電事業者は、正確な発電量予測に基づく計画値同時同量の責務が課される。このような背景のもと両社は、2019年10月から技術・販売提携を検討し、今回の合弁会社設立に至った。

 新会社では、両社が持つ発電量・需要予測、電力市場取引の技術、再エネや蓄電池などの分散電源の制御技術などを活用し、計画値同時同量への対応を支援する。また、東芝グループが開発した電力市場における価格予測技術や、ネクストクラフトべルケが欧州で培ったトレーディング運用の経験を活用し、電力卸取引市場や需給調整市場での取引、相対契約(PPA)の最適化により、再エネ事業者を支援するという。

 まずは日本国内で積極的に事業展開し、海外では両社の商流を生かしたビジネス拡大を検討していく。新会社の代表者は未定。本社所在地は川崎市。資本金は1.8億円、出資比率は東芝エネルギーシステムズが51%、ネクストクラフトべルケが49%。

 ネクストクラフトべルケは、多数の再エネ電源を同時制御する技術を持ち、すでにFIP制度が取り入れられている欧州においてバランシング・リスポンシブル・パーティーを形成し、電力市場取引で豊富な実績がある。また、東芝エネルギーシステムズは、国内において電気事業者などの節電要請に対し多数の需要家の削減量を束ねて取引するネガワットアグリゲーター事業や、電力会社や自治体の特色を生かしたVPP実証事業などの実績がある。

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