水素

三菱パワー、海外初ドイツで燃料電池を受注、再エネの変動に対応

2020/11/11 12:14
工藤宗介=技術ライター
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三菱パワーのSOFC「MEGAMIE」(出所:三菱パワー)
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 三菱重工業の100%子会社である三菱パワー(旧社名:三菱日立パワーシステムズ、横浜市)は10月29日、独ノルトライン=ヴェストファーレン州エッセン市に拠点を置くガス・熱研究所(GWI)向けに、固体酸化物型燃料電池(SOFC)システム「MEGAMIE」を受注したと発表した。日本国内における9基の導入実績が評価され、初の海外受注につながったという。

 MEGAMIEは、天然ガスからバイオマス、水素など、さまざまな燃料に柔軟に対応できる。電気と熱を供給するコージェネレーション(熱電併給)システムとして常用電源に活用するほか、災害時など、商用電力網から独立して稼働する自立型電源としても利用できる。定格出力は210kW。大規模オフィスビルや病院、約300戸の住宅に電気と熱を供給する能力を持つ。

 GWIでは、部分負荷運転や水素混合燃料ガスによる柔軟な運転を確認する予定。再生可能エネルギーの割合が多い電力系統では、日照や風況により発電量が変動するため、環境に配慮した方法で、確実かつ迅速に電気と熱を供給できる発電所が不可欠としている。

 製造業のデジタル化によるエコシステムの構築を目指すドイツの国家プロジェクトである「インダストリー4.0」を踏まえた、ノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW)版研究プロジェクト「KWK.NRW 4.0」の一環となる。同州および欧州地域開発基金(ERDF)の資金提供を受けた。2022年3月までに稼働する予定。

 なお、燃料電池の応⽤動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界水素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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