和歌山県日高郡みなべ町の太平洋に面した丘に立地する出力約600kWの太陽光発電所が、海風や台風の強風を乗り越え、稼働から6年間、順調に運用を続けている。
この発電所があるのは、「ホテル&リゾーツ 和歌山 南部(旧・紀州南部ロイヤルホテル)」の敷地内(図1)。
海の眺めが素晴らしく、どの部屋からも太平洋を眺望できる。観光地として知られる白浜に近く、温泉にも恵まれている。
このホテルの敷地内に、太陽光パネル出力が約632.4kW、連系出力500kWの「DREAM Solar 紀州南部ロイヤルホテル」が稼働している。2014年9月下旬に売電を開始し、すでに6年間が経過している。
初期投資は約2億円で、年間発電量は一般家庭約120世帯の消費電力に相当する、約66万kWhを見込んでいる。固定価格買取制度(FIT)による売電価格は36円/kWh(税抜き)で関西電力に売電し、年間売電額は約2376万円を見込んでいる。
20年間の維持運営費として、約1億2800万円を見込んでいる。
発電所を開発・運営しているのは、大和リース(大阪市中央区)である。ホテルを運営している大和リゾート(東京都千代田区)からホテルの敷地内の土地を借りた。
両社ともに大和ハウス工業グループの企業で、大和リースが開発・運営している太陽光発電所の典型的な手法の1つが、みなべ町のホテル敷地内の案件となっている。
グループ企業の施設内や遊休地を活用し、EPC(設計・調達・施工)サービスは大和ハウス工業、O&M(運用・保守)はグループのマンション管理会社である大和ライフネクスト(東京都港区)が担当するという、グループ一体で開発・運営する手法である。
大和リースが、グループホテルの敷地を活用して開発・運営している太陽光発電所として、2カ所目の案件となっている。
1カ所目は、ロイヤルホテル土佐(高知県安芸郡芸西村)の敷地内にある出力約811kWで、みなべ町の発電所より4カ月早い、2014年5月に稼働した。