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東芝、再エネ事業への投資3倍、2030年度6500億円

国内電源構成、2030年「再エネ比率33%」と想定

2020/11/12 22:51
工藤宗介=技術ライター
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東芝の再エネ関連事業の推移・計画
(出所:東芝)
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 東芝は、再生可能エネルギー関連事業を、2019年度の1900億円から、2025年度に3500億円、2030年度には6500億円と、10年間で3倍超に拡大すると発表した。11月11日に発表した中期経営計画「東芝Nextプラン」進捗報告に盛り込んだ。

 IEA(世界エネルギー機関)の試算ではパリ協定を実現するためには、世界のエネルギー関連投資は年間80兆円規模から140兆円規模に拡大するとしている。同社は、国内においても、2030年に「再エネ比率33%」になると想定し、今後10年間で再エネ関連で50~80兆円の投資が必要になると見込んでいる。

 東芝は、「2050年カーボンニュートラル」への道筋が大きな事業機会になり得ると考えている。同社の再エネ事業は、容量2MW以上の大規模太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービス、水力発電設備ユニット数で国内シェア1位、可変速揚水発電所プラント数で世界シェア1位、地熱発電タービン設備容量で世界トップクラスの実績を持つという。今後、風力にも力を入れていく予定で、最新鋭風車の国産化を計画している。

 このほかにも、モビリティ向け軽量・高効率なタンデム型太陽電池や、屋根・窓・壁に貼り付け可能なフィルム型のペロブスカイト太陽電池を2025年ごろに実用化する目標を掲げた。また、福島県浪江町の世界最大級のP2G実証実験に参画し、船舶・鉄道向けの燃料電池システムを開発する。CO2分離回収(CCS)では、福岡県大牟田市の火力発電所でCO2の50%を回収する大規模実証実験を開始した。

 今後10年程度は、インフラシステムの新規納入で、新規の再エネ発電関連の投資が拡大する。さらに、2030年ごろからは再エネ発電の余剰電力が多く発生すると見られ、これらを調整・マッチングさせるニーズが高まると予測している。

 巨大市場となり得るVPP事業に向けた準備として、欧州の再エネ需給調整大手である独ネクストクラフトベルケと共同会社を設立し、国内におけるエネルギーリソースアグリゲーションサービスを開始する。発電事業者や需要家、アグリゲーター向けに計画値同時同量への対応や電力需給調整市場における最適なトレーディング運用などの支援サービスを提供する。2030年で3000億円、2040年で1.2兆円の電力調整需要が生まれると予測する。

 さらに、2度未満目標に即した「脱炭素」として、石炭火力建設工事の新規受注を停止し、2030年までにバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量を50%削減する。また、2050年に向けて社会の温室効果ガス・ネットゼロに貢献する「東芝グループ環境未来ビジョン2050」を策定した。新たな再エネ発電の提供、VPP、系統強化、CCSなどにより脱炭素を実現するインフラ転換をサポートするとしている。

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