農林水産省と環境省は10月23日、農林水産業における「2050年CO2ゼロ・エミッション」達成に向けた脱炭素社会への移行などについて、両大臣間で連携を強化していくことで合意したと発表した。
合意に基づき両省は、脱炭素社会への移行に向けた取り組みとして、農山漁村における再生可能エネルギーの導入促進を含む食とエネルギーの地産地消、省エネの取り組み、林業と連携したバイオマスエネルギーの利用促進、農地土壌への炭素貯留の促進、ブルーカーボンの吸収源としての可能性の検討などについて連携していく。
また、環境省は、環境省庁舎における「2030年までの再エネ100%(RE100)」達成を目指して電力を調達しているが、RE100アンバサダーとしてさらにRE100の取り組みを拡大する。農水省は、環境省の経験・ノウハウの提供を受け、農水省庁舎のRE100実現に取り組む。公共建築物などにおける木材利用・調達情報を相互共有し、庁舎への木材利用や木製品の利用などに率先して取り組んでいく。
このほかにも両省は、循環経済や分散型社会も推進する。国際交渉においては、2021年開催予定の気候変動COP26や生物多様性COP15などにおいて連携して交渉に臨むとしている。
農水省は、農林水産業および食品産業を環境も経済も向上させる環境操業型産業へ進化させることを目指し、農業生産のグリーン化やスマート農業を促進してきた。今後、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の確保をイノベーションで実現するための「みどりの食料システム戦略(仮称)」を策定する計画。
一方、環境省は、地域資源を活用した自立・分散型社会である「地域循環共生圏」に取り組んでいる。両省は今回、これらをさらに発展させるため、一層連携することで合意した。