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河野大臣と企業CEOが意見交換、「農地転用の要件緩和」など要望

2020/11/21 13:46
工藤宗介=技術ライター
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意見交換会の様子
(出所:JCI)
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 温暖化対策に積極的に取り組む企業などのネットワーク、気候変動イニシアティブ(JCI)のメンバー企業4社のCEO(最高経営責任者)は11月18日、河野太郎規制改革担当大臣と会談し、再エネ拡大に向けた規制改革について意見を交換した。

 会談に参加した企業は、ニッセイアセットマネジメント、花王、リコー、ソニーの4社のCEO(予定者含む)で、意見交換と合わせ、JCIが取りまとめた、再生可能エネルギーに関する規制改革についての提案書を河野大臣に提出した。

 会談の冒頭で河野大臣は「総理の2050年カーボンニュートラル宣言を受け、再エネの主力電源化は待ったなしだ。産業界からの再エネに関する規制改革の要望を踏まえ、政府のできることは全部やっていく」と述べた。これを受け、各社CEOが自社の取り組みに関する報告や、政府への要望について発言した。

 会談では、世界の自社拠点の中で欧州などは既に半分程度を再エネに切り替えているが、日本では思うように調達できず1%台にとどまっている状況が報告された。さらに深刻な事例として、主力製品の供給先から2030年までに再エネ100%の製品製造を求められているが、工場立地地域の再エネ供給が限られている状況も報告された。このほか、国のエネルギーミックスで2030年に再エネ40%以上にする目標が必要という要望などが出された。

 各社の報告・要望を受け、河野大臣は「既存のエネルギー業界などからは、再エネは不安定とか、増やすことは無理などの意見が出やすい。有識者という方々の中にも5年前、10年前の認識のままの意見がある。ぜひ産業界の現場の皆さんから、ビジネスの中で再エネが必要だという実態を紹介し、メッセージを出していただきたい」と発言した。

 また、提案書では、再エネ開発に資金がまわる改革として、国が長期的な高い再エネ目標を定め、企業や投資家が安心して投資できる環境を作ることを求めた。また、公的・私的を問わず年金基金の資金をESG投資に誘導するため、全ての年金基金にESG投資を実施しているかを報告させ、実施できない場合はその理由を開示する仕組みを導入することを提案した。

 再エネを作りやすくする改革としては、再エネ開発に関する規制緩和として、農地法・農振法の運用の改革、農振除外・農地転用許可の要件緩和、国有林・保安林における再エネの調査・開発制限の見直し、風力発電設備などの公益的施設への位置付け、環境アセスメント手続きの迅速化を挙げた。

 再エネの送電網への接続に関する規制緩和では、基幹送電線の利用実績の報告と公開の実施、既存電源を含めたより合理的な接続管理への改革、限界費用の低い電力から優先的に供給するルール(メリットオーダー)の徹底を挙げた。

 再エネを使いやすくする改革では、現行の「非化石証書」の仕組みを改め、グローバルスタンダードに沿った環境価値のトラッキング制度の整備、需要家と発電事業者間で電力購入契約(PPA)を可能にすることを求めた。今回提出した提案書は、JCIが提案する最初の案であり、今後メンバーからの意見を集約しさらに具体化していくと説明している。

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