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「カーボンニュートラル基本法」実現へ、自民政務調査会が提言

2020/12/03 20:48
工藤宗介=技術ライター
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菅義偉総理大臣に申し入れた
菅義偉総理大臣に申し入れた
(出所:自由民主党)
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 自由民主党の政務調査会は11月30日、「新たな経済対策に向けた提言」を取りまとめ、菅義偉総理大臣に申し入れた。経済および環境分野では、最重点事項のひとつである「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」のなかで、革新的なイノベーションを通じて経済と環境の好循環を作り出し、官民を挙げて「2050年カーボンニュートラル」を実現することを求めている。

 提言では、経済対策に関する重点事項のひとつに「グリーンエコノミー・デジタル革命の実現」を掲げた。企業がパリ協定を踏まえた温室効果ガス(GHG)削減に努力しないと、グローバルな投資家や消費者からも見放され、事業継続リスクに直面すると指摘している。

 そのために、国を挙げてカーボンニュートラルを推進する基本法などの省庁横断的な法的枠組みを制定するとともに、経営者自らが「覚悟とコミット」を示すことを条件にリスクが高い挑戦に取り組む企業によるグリーン投資を海外と遜色ない規模で10年単位の長期間に渡って支援する基金、脱炭素効果の大きい設備投資を支援する税制措置の創設、規制改革などを総動員することで、2050年のGHGネット排出量ゼロを目指すことを求めた。

 具体的には、生産工程でのGHG排出削減を行った蓄電池や次世代太陽電池開発、洋上風力などによるクリーンな再エネの主力電源化、原子力を含むゼロエミッション電源の活用、合成燃料・CO2分離回収などの技術開発やバイオ技術などを活用したカーボンリサイクルの推進、水素発電の技術開発による水素社会の実現を挙げる。

 また、サプライチェーンを担う中小企業の生産の脱炭素、電動車の中核となる蓄電池開発や投資などの産業育成推進、鉄鋼・化学・エネルギーなどの産業分野におけるカーボンニュートラルを実現する製造プロセスの転換を支援する。CO2などを活用した新たなバイオ素材の開発・製造など、民間主体では研究開発が困難な重点基盤領域における産学官を挙げての共同研究も推進するとしている。

 このほかにも、「2050年カーボンニュートラル」の実現には、社会活動を全般にわたって変革していくことが必要と指摘。関係府省と連携して新たな地域の創造やライフスタイルの転換を加速する技術の調査・開発・実証や社会実装を支援するための基金を創設し、需要サイドの脱炭素イノベーションを求めた。「動く蓄電池」として災害時にも活用できる電動車の普及、ヒートショック対策にも資する住宅の断熱リフォーム、ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)やゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の普及を挙げる。

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