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「風力+水素」でゼロエミ船、商船三井など開発へ

2020/12/04 15:09
工藤宗介=技術ライター
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セーリングヨットを用いた実証実験の概要
最終的には電動プロペラと発電タービンを一体化する予定(出所:商船三井)
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強風時における風力による推進と水素貯蔵のイメージ
(出所:商船三井)
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弱風時における水素消費と電動プロペラによる推進のイメージ
(出所:商船三井)
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 商船三井など8者は、風力と水素を活用して温室効果ガス(GHG)を一切排出しないゼロエミッション船の開発に取り組む「ウインドハンタープロジェクト」を立ち上げた。11月17日に第1回会合を開催した。

 商船三井は現在、伸縮可能な硬翼帆によって風力エネルギーを推進力に利用する技術開発「ウインドチャレンジャープロジェクト」に取り組んでいる。2019年10月には一般財団法人・日本海事協会から設計に関する基本承認(AIP)を取得したと発表した。

 ウインドハンタープロジェクトでは、ウインドチャレンジャーの帆の技術に加えて、帆走中に水中の電気タービンで発電した電気を用いて水電解により水素を生産・貯蔵し、弱風時に燃料電池を用いて電動プロペラを回して推進力を補う。また、水素を陸上消費向けに供給することも検討する。

 最初のステージでは、セーリングヨットを用いたコンセプト実証を予定する。洋上風エネルギーによる発電、水素生産・貯蔵、燃料電池による推進という一連のサイクル運用の機能・性能を実証する。次のステージでは、さらに大きな船舶を用いた実証を目指す。

 参画企業・団体は、商船三井、大内海洋コンサルタント、海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所、スマートデザイン、東京大学大学院新領域創成科学研究科、西日本流体技研、日本海事協会、みらいえね企画合同会社の8者。

 商船三井は、「環境ビジョン2.0」において「2030年に持続可能なネットGHGゼロ・エミッション外航船を創出」を目標のひとつに挙げており、国際海運のバリューチェーンにおける温室効果ガスの排出抑制を目指している。

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