ニュース

ウェザーニューズが気象データ、気象庁予測より高精度

2020/12/05 00:45
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
翌日予測における1時間平均日射量の月別誤差(2020年、東京)
水色がウェザーニューズの予測モデル、橙色は気象庁予測(出所:ウェザーニューズ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ウェザーニューズは12月3日、気象データを活用して企業のビジネス課題の解決を支援する「WxTech(ウェザーテック)」サービスにおいて、新電力会社などを対象とした電力市場向け気象データセット「WxTech for Energy」の販売を開始したと発表した。今冬は2カ月間までトライアル期間として無償で提供する。

 独自のAI(人工知能)技術を用いて、上空の湿度や温度などから推定される雲の水分量や、風向風速から計算される収束量などを、大気の透過率を高精度に推定できる特徴量として選択し、機械学習する新たな「日射量予測モデル」を開発した。同社の検証によると、年間を通じて気象庁の予測より精度が高く、同社比でも日射量は約15%、気温は約10%、風速は約30%の精度改善を確認したという。

 気温、気温EPI、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量、風向、風速、降水量、天気など、さまざまな気象要素の予測データを取得できる。天気は予想精度90%超のピンポイント予報を準備する。また、気温EPIと全天日射量EPIは、電力市場のニーズに特化した予測幅データで、気温と日射量の予測値の上限と下限の誤差幅(ブレ幅)を提供することで、効果的なリスクヘッジを可能にするという。

 気象データの提供には、WxTechのクラウド環境を利用する。電気事業者は、クラウドに保存された気象データをAPIなどで取得でき、既存の需給管理システムなどと連携できる。当日の運用、スポット、週間や月次など、各電力取引に必要なタイミングに合わせてパッケージ化して提供する。

 電力市場では、2021年4月に需給調整市場が開設される予定で、再生可能エネルギーや蓄電池などを利用した分散型電源の活用が期待される。また、2022年にはインバランス料金制度が見直され、計画と実績に差が生じた場合のペナルティがより厳格になる。そのため、電気事業者の間では、需要や発電量の予測精度の向上による損失リスク減少へのニーズが高まっているという。

  • 記事ランキング