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「低コストの蓄電池・水素製造の開発を支援」、菅首相が会見(page 2)

日本と米国の参戦で、脱炭素インフラ開発の世界競争に

2020/12/06 14:09
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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日米欧が「脱炭素」技術で大競争へ

 バイデン次期大統領のこうした公約は、再エネによる電気で水素やメタンガスなどを製造する「パワー・ツー・ガス(P2G)」の実証研究で先行するドイツなどEU(欧州連合)の動きを意識している。「2050年カーボンニュートラル」宣言を機に、日本もこうした再エネを軸としたエネルギーシステムを巡る世界的な開発競争に本格的に取り組むことになる。

米副大統領時代のバイデン氏
(出所:ウエブサイト=the WHITEHOUSE PRESIDENT BARACK OBAMA)
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 日米欧が、変動性再エネを吸収する蓄電池や水素システム、水素を産業素材として活用する変換技術、化石燃料のCCSU(CO2分離・回収・利用)などに大規模な財政支出を行うことから、こうした脱炭素エネルギーシステムの官製市場が形成される可能性もある。

 今回、発表した「2兆円の基金」は、自由民主党の政務調査会が11月30日に取りまとめた「新たな経済対策に向けた提言」に沿ったもの。同提言では、「経営者自らが覚悟とコミットを示すことを条件にリスクが高い挑戦に取り組む企業によるグリーン投資を海外と遜色ない規模で10年単位の長期間に渡って支援する基金」としていた。

 ただ、この提言に盛り込まれた「国を挙げてカーボンニュートラルを推進する基本法などの省庁横断的な法的枠組みの制定」に関して、菅総理は触れなかった。

 また、来年度中に決める次期「エネルギー基本計画」に盛り込む「2030年のエネルギーミックス(あるべき電源構成)」では、現在22~24%となっている再エネ比率の上乗せが焦点になるが、この点に関しても、直接的な言及はなかった。

 菅総理は、「カーボンニュートラル」に向けた国民理解に関する記者からの質問に対し、「様々な世代や分野の方が参画して意見を交換する会議や、国と自治体の間で議論する会議を早期に開催し、先進的な取組を広げていきたい」と述べていることから、次期エネルギー基本計画の策定を前に幅広い声を聞く場を設ける可能性もありそうだ。

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