三菱マテリアルの連結子会社であるニューエナジーふじみ野(NEFC、埼玉県ふじみ野市)は、日本生活協同組合連合会のグループ会社である地球クラブ(東京都渋谷区)と再生可能エネルギー電気特定卸供給に関する契約を締結し、12月1日から電力の供給を開始した。
NEFCは、食品工場や小売店などの食品関連事業者から排出される食品廃棄物を用いたバイオガス発電設備を建設し、9月から営業運転を始めた。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を用いて売電する。また、地球クラブは、再エネ発電・利用を一体的に推進するため2014年6月に設立され、各生活協同組合の事業所および組合員を対象とした電気小売業を手掛ける。
今回の特定卸供給契約では、NEFCが発電した電力を、地球クラブを通じて生活協同組合の関連施設に供給する。バイオガスの原料となる食品廃棄物は、コープデリ生活協同組合連合会の物流センターや生活協同組合コープみらいの店舗などから排出されたものが含まれており、循環型の再資源化システムが構築されることになる。
NEFCのバイオガス発電設備は、食品廃棄物を1日あたり40t嫌気発酵処理し、得られたメタンなどのバイオガスを燃料に出力550kWのガスエンジン発電機を稼働する。売電単価は39円/kWh。また、処理過程で排出する廃プラスチックや汚泥などは三菱マテリアルのセメント工場で再資源化や熱回収する。
NEFCは、三菱マテリアルが2018年5月に設立し、その後新たな出資先の追加などにより事業体制を強化してきた。現在の出資比率は、三菱マテリアルが75%、市川環境エンジニアリングが20%、コープデリ生活協同組合連合会が2.5%、生活協同組合コープみらいが2.5%。