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宇宙と地上から雲を追跡、太陽光発電の出力予測システム

2020/12/09 23:57
工藤宗介=技術ライター
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技術開発と適用範囲のイメージ
(出所:電中研、スカパーJSAT)
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日射量の予測イメージ
(出所:電中研、スカパーJSAT)
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 電力中央研究所とスカパーJSAT(東京都港区)は12月3日、衛星画像と複合地上センサーによる全天画像およびAI(人工知能)を用いた「ハイブリッド型太陽光発電出力予測システム」を共同開発することで合意したと発表した。

 電中研が開発している衛星画像による日射予測・解析システム「SoRaFAS(ソラファス)」と、スカパーJSATが開発している複合地上センサー、全天画像解析、日射予測「AI SolarMi(そらみ)」による短時間予測システム技術を組み合わせることで、数分先から1時間先までの太陽光発電出力の予測精度向上を目指す。

 電中研は、気象庁の静止気象衛星ひまわり8号で取得したデータに基づく日射量予測・解析システムとしてSoRaFASの開発を進めている。電力会社の系統エリアを対象に、現況と最大6時間先までの日射量や太陽光発電出力を自動的に予測・解析する。

 また、スカパーJSATは、2017年から雲を解析するAI「KMOMY(くもみ)」を開発している。雲判別精度85%以上のKMOMYの技術を応用して短時間日射予測AIのSolarMiを開発し、電中研の予測システムと組み合わせる。

 ハイブリッド予測システムの開発にあたり、複合地上センサーの全天カメラ画像と衛星画像、雲の種類判別技術を組み合せ、画像上の雲と雲の状態(雲の規模、雲底高度、雲頂高度、雲の厚み)を特定して移動を追跡する技術に関して共同で特許出願した。

 雲の移動を予測することで日射量の変化を予測できるようになり、日射量と太陽光発電の設備容量を組み合せることで太陽光の出力を予測できるようになるという。同技術をシステム化し、2022年に短時間予測を強化した太陽光発電出力予測サービスの開始を目指す。

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