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県営水力から県営施設へ、青森県が「自己託送」

2020/12/17 20:55
工藤宗介=技術ライター
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下湯ダム
(出所:青森県)
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川内ダム
(出所:青森県)
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新青森県総合運動公園・陸上競技場
(出所:青森県)
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新青森県総合運動公園・アリーナ
(出所:青森県)
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 地域新電力のさくら新電力(青森県弘前市)は、青森県が管理するダムの管理用水力発電所2基から県内の県営運動公園へ、「自己託送制度」を利用した電力供給を12月1日から開始した。新電力BPO(業務代行)サービスを提供するパワーネクスト(千葉市)が同日発表した。

 自己託送制度は、自己所有する発電設備で発電した電気を、一般送配電事業者が維持・運用する送配電ネットワークを経由して、同様に自己所有する電気使用場所に供給し自家消費するもの。自家所有する再エネ由来電気の環境価値を自身で享受することが可能で、同時に電気料金の削減効果も期待できる。

 今回の自己託送では、青森市の「下湯ダム」(出力350kW、年間発電量約240万kWh)とむつ市の「川内ダム」(出力260kW、年間発電量約150万kWh)の電力を、青森市の「新青森県総合運動公園」に供給する。今回の自己託送により、運動公園現有施設の消費電力量の5~6割を賄うことを想定している。

 同運動公園は、園内に整備された運動施設の規模や特性から消費電力量が非常に多く、運営・維持管理の負荷が大きい状況だった。さらに、2019年9月に新陸上競技場を供用が始まり、2024年には新水泳場を運用する予定で、エネルギーコストの削減が重要課題となっていた。自己託送による負担軽減効果は今後検証を進めていく。

 自己託送で賄いきれない部分の電力供給と、管理用水力発電所の余剰電力の買取は、さくら新電力が実施する。買い取った電力は、地産地消電源として青森県の需要家を中心に供給する計画。

 パワーネクストは、新電力BPOサービスとして、小売電気事業における需給管理や料金算定といった実務の業務受託を行っている。同サービスで培った知見を活用し、イベントなどに応じて消費電力が変動する運動公園の需要と、管理用水力発電所の供給のバランスを保ち、無駄のない自己託送計画の策定および提出を、青森県に代わり実施する。

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