養鯉場で「ナノ水力発電」を実証、金沢工大など

2020/12/18 19:24
工藤宗介=技術ライター
養鯉場の全景
(出所:金沢工業大学)
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ナノ水力発電の実証実験装置
(出所:金沢工業大学)
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養鯉場の水中ポンプ・エアポンプ・自動給餌器
(出所:金沢工業大学)
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 金沢工業大学、国際高等専門学校、東プレ(東京都中央区)の3者は、石川県白山市の養鯉場に養殖目的に給水されるパイプラインを利用して「ナノ水力発電システム」を設置し、同システムの実証実験を開始した。12月14日に発表した。

 東プレは、新規事業として農業用水や工業用水などの余剰圧力を活用したナノ水力発電システムの開発に取り組んでいる。また、金沢工業大学と国際高等専門学校は、学校・学科・分野を超えた共創教育研究として、東プレとの共同プロジェクトを推進している。

 ナノ水力発電システムは、東プレが強みとする塑性加工と流量制御、インバーター制御技術、金沢工業大学の流体工学を応用したもの。従来の小水力発電装置より小型のため、中山間部の用水路といった従来、設置の難しかった場所でも容易に導入できるのが特徴。

 パイプラインから取水し、装置中央にある直径100mmのデュアルタービンを回転させることで両端に付けられた発電機で発電する。発電量は設置場所のポテンシャルによって変化するが、昨年度の検証では一般家庭2世帯分に相当する1kW超を確認した。

 流れる用水の一部を取水するため水量による発電量の変化が少なく、一日中安定した出力が得られる。発電した電力はパワーコンディショナー(PCS)を通じて100Vに変換して家庭の一般的な低圧電力として使用し、余剰電力は蓄電池に貯める。

 今回設置した実証実験装置は、養鯉場に設置される水中ポンプ、エアポンプ、自動給餌器、実験データ取りに必要な計測器やデータを送る通信機器、連続稼働の状況を確認する遠隔監視装置、照明といった機器・装置が消費する電力をすべて賄えるという。

 実証実験では、連続して長期間、稼働させ、塵芥除去に関する課題やシステム効率や耐久性といった課題を改良していく。最終的には2021年度中の商品化を目指す。