奥飛騨温泉郷に小水力、収益の一部を地元に還元

2020/12/18 19:46
工藤宗介=技術ライター
安房谷水力発電所のレイアウト
(出所:シン・エナジー)
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発電設備
(出所:シン・エナジー)
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水槽から取水堰堤
(出所:シン・エナジー)
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 シン・エナジー(神戸市)と地元企業が出資して設立した奥飛騨水力発電(岐阜県高山市)は、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷に小水力発電所「安房谷水力発電所」を建設し、12月15日に竣工式を開催した。

 設置河川は神通川水系高原川支川 安房谷で、発電所の全域が中部山岳国立公園第二種特別地域に含まれる。最大出力は657kW、年間発電量は約1000世帯分に相当する約3275MWhを見込む。発電方式は流れ込み式で有効落差は70.0m、最大使用水量は1.110m3/s。

 発電設備は、横軸フランシス水車と三相誘導発電機を採用した。設備設計はシン・エナジーが担当した。発電した電力は中部電力パワーグリッドに全量売電する。固定価格買取制度(FIT)による売電単価は29円/kWh。

 地域の活性化および国立公園の便益の向上に資する発電事業となることを目的とし、事業収益の一部を「地域振興基金」として地域に還元する。また、地域事業会社は地元出資を51%以上とし、調査工事・土木建設工事・金融などで地元産業を優先的に活用した。

 シン・エナジーと滋賀銀行が11月30日に締結した「『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン」にて設定したSDGsやESGに関連する目標のうち「地域の事業体と共同で実施する再生可能エネルギーによる発電所の建設」の第1号案件となる。