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家畜ふん尿・ガスをLPGに変換、古河電工が新触媒

2020/12/19 23:22
工藤宗介=技術ライター
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ラムネ触媒の構造
(出所:古河電気工業)
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ラムネ触媒の試験結果
(出所:古河電気工業)
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 古河電気工業は12月2日、北海道大学との共同研究により、金属触媒の固定技術を応用し、家畜のふん尿から得られるバイオガス(主成分はCO2とメタンガス)をLPG(液化石油ガス)に変換する技術を開発したと発表した。従来、活性が低く短時間しか持続しなかった触媒反応を大幅に改善した。

 同社が培ってきたメタルとポリマーの製造・加工技術を用いて、多孔質材料の内部に数nmサイズの金属触媒(ニッケルを触媒として利用)を固定した「ラムネ触媒」を開発した。金属触媒が多孔質材料の内部に固定される姿がラムネの瓶に似ていることから命名した。

 従来の触媒で課題とされていた耐凝集性・耐コーキング性を持ち、ふん尿から出るバイオガス(CO2、CH4)を合成ガス(CO、H2)に変換するドライリフォーミング反応において、理論限界に近い高活性と長寿命を実現した。合成ガスからは、LPG合成反応によりLPガスを生産できる。

 ふん尿から発生するバイオガスの再資源化により、エネルギーの地産地消のほか、ふん尿の処理コストの低減、異臭・水質汚染といった畜産業が潜在的に抱える課題の解決につながる可能性があるとしている。今後、2023年までに小型試験機による実証を、2025年までにフィールド実証実験を行い、2030年の実用化を目指す。

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