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営農型太陽光の環境価値を共有、ブロックチェーンで新サービス

2020/12/21 21:38
工藤宗介=技術ライター
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ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した再エネと野菜のP2Pサービスの概要
(出所:電力シェアリング)
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QRコード付き&グリーンライセンス(グリーンシール)を貼った農作物および売り場
(出所:電力シェアリング)
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ソーラーシェアリング・シェアリング(SSS)サービスの概要
(出所:電力シェアリング)
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ふるさとからの贈り物サービスの概要
(出所:電力シェアリング)
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 電力シェアリング(東京都品川区)は12月21日、再生可能エネルギーを用いて野菜や果物を栽培している農家を対象に、ブロックチェーン技術を用いて、創出される環境価値を融通し合ったり情報発信するサービスの提供を開始したと発表した。

 同社が環境省から受託する「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業(ブロックチェーン事業)」および「低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)等による家庭等の自発的対策推進事業」の一環として、同事業の成果の社会実装・商用利用に向けて実施する。

 「ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した再エネと野菜のP2Pサービス」では、再エネ由来電力を用いたり、無農薬や有機農法などを重視する「こだわりの農家」と「こだわりの消費者」をP2Pでマッチングする。ブロックチェーンにより、再エネ生産者や農家、作物についての詳細な情報を、消費者がより正確に知ることができるようになる。

 具体的には、作物に「QRコード付き&グリーンライセンス(グリーンシール)」を貼り、消費者が専用アプリにかざすことで、環境価値や作物に関する情報を確認できる。既に10月から関東首都圏の約30の大手スーパーマーケットなどで月3万パックのシール付き野菜を販売するほか、マインズ農業協同組合(JAマインズ、東京都府中市)とも業務提携し12月14日から直営店で販売を開始した。

 また、「ソーラーシェアリング・シェアリング(SSS)サービス」(環境価値の売買アグリゲーション事業)では、ブロックチェーンを活用したP2P取引システムにより、全国に分散するソーラーシェアリング(営農型太陽光)の環境価値をリアルタイムで互いに融通し合う仕組みを構築した。また、農園だけでなく全国にメンバーが点在する同窓会・同好会や地域で再エネ普及を目指す市民コミュニティへの適用も進めている。

 近年、ソーラーシェアリングを導入する農家が増えているが、ひとつの農場だけで環境価値を賄おうとすると、雨や曇りのときには不足し、よく晴れた日には余剰が出るなど、バランスを取るのが難しかった。全国の多くのソーラーシェアリングをネットワークでつなぐことで環境価値を無駄なく活用し、コミュニティ全体でのカーボンニュートラルの達成を目指す。

 このほかにも、同社では、ブロックチェーンを活用して、ソーラーシェアリングの環境価値を消費者の消費電力とマッチングさせる「ふるさとからの贈り物」サービス事業を展開している。いわば「ふるさと納税」の再エネ電力版といったサービスで、消費者は好みの農園の環境価値を譲り受け、電気使用量に応じて貯まったポイントを用いて応援農園の作物を返礼品として受け取れる仕組み。

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