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NEDOが太陽光の大量導入戦略、壁面や水上・農地などに新市場

2021/01/07 23:35
工藤宗介=技術ライター
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高付加価値の見込める事業のイメージ
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、太陽光発電の大量導入を実現する戦略として、新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略2020(NEDO PV Challenges 2020)」を策定した。2020年12月28日に発表した。

 同戦略では、太陽光発電の大量導入と産業基盤の強化に向けて、(1)高付加価値の見込める事業の創出および立地制約と系統制約の顕在化、(2)安全性の向上および循環型社会(信頼性・リサイクル)の構築、(3)発電コストの低減――の3つの方策を示した。

 高付加価値の見込める事業では、導入形態の多様化や新分野の開発によって太陽光発電の導入領域を拡大するとともに、例えば「太陽光発電による車の航続距離の延長と充電回数の低減」といった、発電以外の新たな価値を創造する。また、太陽光発電の変動電源という特性を踏まえ、能動的に系統への影響緩和(需給調整)に取り組む。

 このほかにも、風水害による破損や設置不良による火災が発生しており安全性の強化が必要とし、太陽光発電の長期安定電源化に向けた信頼性の向上およびリサイクルを構築する。各市場によって求められる要件やコスト水準が異なることから市場ごとに異なる性能とコスト指標を設定し、各市場の特性に応じた技術開発を進めるべきとした。

 日本国内で導入拡大が見込める市場としては、建物の壁面、重量制約のある屋根、移動体(車載)、戸建て住宅(ZEHなど)、水上、農地などの6市場を新たな用途と捉え、特に技術開発を推進すべき市場と位置付けた。いずれも太陽光発電があまり導入されなかった立地であるため、太陽光発電を適合させるために技術開発の必要があるとしている。

 太陽光発電に関する戦略策定は、2014年の「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」以来になる。策定にあたり、現状の課題解決と2050年の社会を見据えた大きな課題を設定した。また、太陽光発電の価値を再評価し、発電コスト低減に加えて、太陽光発電の大量導入で必要な課題を包括的に検討した。日本の太陽光発電産業の強みを踏まえ、新産業・市場創出の視点を盛り込んだ。

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