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都城市に44MWのメガソーラー着工、インテグリティ・パートナーズが開発

「募集プロセス」経て「無制限・無補償」の出力抑制でもファイナンス

2021/01/13 16:49
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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工事の始まった都城市の建設現場
(出所:インテグリティ・パートナーズ)
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 メガソーラー(大規模太陽光発電所)開発とファンド運営を手掛けるインテグリティ・パートナーズ(東京都千代田区)は、2020年10月に宮崎県都城市で出力44MWの太陽光発電所を着工したと発表した。系統増強費用を複数事業者で賄う「募集プロセス」を利用した案件となる。

 約60haの事業用地に出力44.0MWの太陽光パネルを設置する。森林法に基づき林地開発許可を取得して治水対策などを実施するとともに、一部は農地転用で非農地化した。電力系統に送電する連系出力は38MW。年間発電量は5286万kWhを見込み、これは一般家庭1万6720世帯の年間使用電力量に相当する。2024年5月の完工を予定する。

 このプロジェクトは、固定価格買取制度(FIT)の売電単価40円/kWhとなるFIT初期の認定案件だが、着工が遅れたのは、「電源接続案件募集プロセス」を利用したからだ。

 「募集プロセス」とは、一般送配電事業者による系統増強工事を複数の接続希望者で共同負担する仕組みで、連系希望者を募って入札するなど、着工に至るまで時間がかかる。さらに、送電側に大規模な対策工事が必要になるため、商用運転開始まで時間を要することが多い。今回のプロジェクトで完工予定の2024年5月は、系統工事の完了見込み時期という。

 このため、「運転開始3年期限」ルールを数年、超過することから、売電期間がその分短縮される。加えて、接続契約申し込み時期の関係から、「指定ルール」が適用され、「無制限・無補償」の出力制御(出力抑制)が接続条件となった。

 こうした事業化に向け制約の多い案件にもかかわらず、設計・施工面の工夫のほか、事業費用の約2割をメザニンローン(劣後ローン)で賄うことなどにより、プロジェクトファイナンスの組成に成功した。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、大和ハウス工業が担い、太陽光パネルは中国JAソーラー、パワーコンディショナー(PCS)は中国ファーウエイ製を採用する。完成後のO&Mサービスは、大和ハウスとスマートエナジーが担当する予定。

 インテグリティ・パートナーズは、2007年5月に設立しインフラファンドを運営してきた。2011年のFIT開始以降、太陽光発電に特化し、メガソーラープロジェクトを開発・運営し、それを投資資産としたインフラファンドを運営している。

 これまでに全国22カ所、合計224MWの太陽光発電所(稼働・着工済)を運営・管理しており、今後数年で合計30カ所・300MWまで増やしていく目標を掲げている。「国内インフラ建設・更新投資に重要な役割を果たす年金基金を中心とした民間資金の導入を促進すべく、今後は、FITを活用しないコーポレートPPA(電力購入契約)を含めたファイナンススキームの構築から、発電所の稼働・運営実績を積上げ、日本においてインフラ投資の新たな時代を切り開いていきたい」としている。

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