経済産業省は今後、電気保安管理業務を受託する電気主任技術者の不足が予想される状況への対応として、「実務経験の年数」を短縮する。実務経験を代替する講習を設け、この講習を受講することで定めている実務経験年数を短縮できるようにする。
2020年12月22日に開催した有識者会議(産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会)において、「この新たな講習(保安管理業務講習)の修了者は、種別によらず実務経験年数を原則一律3年以上とするように制度を見直す」し、この講習を2021年度に開始する方針を示した。
この案について、1月15日までの期間でパブリックコメントを実施している。
現状では、種別ごとの免状を取得した後、その種別の業務を受託できるようになるための実務経験年数として、第1種は3年以上、第2種は4年以上、第3種は5年以上としている。
これを、第2種、第3種ともに3年以上に短縮できるようにする。講習を受けることで第2種は1年短縮、第3種は2年短縮できるようになる。第1種は3年以上のままで変わらない。講習は免状の取得後、いつでも受講できる。
今回の小委員会では、講習の内容について、免状の取得者に対して実務経験を補完する位置づけであることを考慮して、事故事例や点検作業の実務といった実践的な内容を充実すべきという意見があった。