建設技術研究所は1月7日、宮城県内の森林事業体と連携して、木質資源の地産地消を実現するエネルギー供給事業を開始したと発表した。地域の木質資源を活用した木質燃料の製造・販売、木質燃料により、住宅に熱供給などを行う。
同事業では、地域の主伐材・間伐材から木質チップを製造。そのチップと地域の製材くずを用いて木質燃料(ペレット)を製造し、卸売を行う。ペレットの製造・販売量は年間2500tの予定。また、製造したチップを燃料に木材乾燥用ボイラーを運転する。
さらに、製造したチップを用いてコージェネレーション(熱電併給/CHP)システムを2台運転する。熱出力は合計200kWで、年間の熱供給量は合計1262MWhを見込み、住宅の冷暖房・給湯用および木材乾燥用として供給する。
発電出力は合計90kWで、年間発電量は合計712MWhを見込み、固定価格買取制度(FIT)を用いて売電する。売電単価は40円/kWh。木質燃料の製造・販売(卸)およびコージェネは、ウェスタ(宮城県加美町)と建設技術研究所が出資する特定目的会社(SPC)「ウェスタCHP」が事業主体となる。
木質バイオマスは、国内に豊富にある地域エネルギー資源であり、これまでも地産地消型の資源活用が期待されてきた。一方で、補助金なしでは事業性の確保が難しく、計画の立案や事業実施に関する知見不足などもあり導入が進んでいなかった。今回の事業によって、これらの課題解決に向け、技術・知見を蓄積し、全国に展開していきたいとしている。