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住商、豪州とオマーンで「水素」製造・販売、太陽光を活用

2021/01/25 20:59
工藤宗介=技術ライター
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オマーンでの水素プロジェクトのイメージ
(出所:住友商事)
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 住友商事は、海外で地産地消型の水素事業に取り組む。1月22日、オーストラリアで計画中の水素製造・販売プロジェクトに関し、プラントの基本設計を日揮グローバル(横浜市)に委託する契約を締結したと発表した。また同日、オマーンにおける水素の地産地消プロジェクトについて事業性調査を開始したと発表した。

 オーストラリアのクイーンズランド州グラッドストンの水素製造・販売プロジェクトは、太陽光由来の電力を主電源として、水の電気分解装置により水素を製造、現地で販売し、地産地消型の水素コミュニティの構築を検討するもの。

 今回基本設計を行う初期の水素製造プラントでは、年間250~300tの水素を製造する予定。設計を担当する日揮グローバルは、日揮ホールディングスの海外EPC(設計・調達・施工)事業会社である。

 オーストラリア政府は、2019年に策定した「国家水素戦略」において「2030年には世界に伍する水素国家になる」というビジョンを掲げ水素産業の創出に取り組んでいる。グラッドストンは、既存の産業インフラや行政による支援体制、素材産業、港湾など需要家の存在を背景に、水素製造、販売業務の適地として注目される。また、日照時間が長く太陽光発電の適地とされる。

 オマーンでの水素プロジェクトは、石油生産時に副産物として発生する随伴バスを有効活用し、水蒸気改質法を用いて水素を製造するもの。現地の石油・ガス開発事業者であるARA Petroleumと2020年3月にMOUを締結した。ARAが石油・ガスを生産する鉱区に地産地消型水素サプライチェーンを構築し、2023年に商用運転の開始を目指す。

 鉱区内で発生した随伴ガスから年間300~400tの水素を製造し、主にARAが鉱区内で導入する燃料電池車の燃料として活用するとともに、回収したCO2を地場産業向けに有効活用する。また、20MW規模の太陽光パネルを併設し、鉱区や水素製造設備などの電源として活用する。

 石油・ガスが主要産業であるオマーンは、日本政府が主導する水素閣僚会議に参加するなど水素活用に積極的に取り組んでいる。住友商事は、同プロジェクトを通じて石油・ガスの生産活動の脱炭素に貢献するとともに、同プロジェクトのモデルをオマーン国内外に展開することを検討する。

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