ニュース

応用地質、洋上風力向け海底地質調査で日本郵船・蘭Fugroと提携

2021/01/28 19:52
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
蘭Fugroの自航式CPT調査船
(出所:応用地質)
クリックすると拡大した画像が開きます
応用地質によるSPT調査
(出所:応用地質)
クリックすると拡大した画像が開きます

 応用地質は1月26日、日本郵船と、オランダの地質調査会社Fugro傘下のFugro Singapore Marineおよびフグロジャパン(東京都中央区)との間で、洋上風力発電設備向け海底地盤調査サービスの国内展開について覚書を締結したと発表した。

 洋上風力発電設備の建設では、風車の基礎設計や発電所のレイアウトデザインの検討のため、建設海域の海底地盤を調査する必要がある。地盤調査では一般的にSPT(標準貫入試験)調査が行われる。海上に足場を設置しボーリングを行って地盤の硬さを調査するとともに土質判定のための試料を採集するもので、地盤の性状を詳細に把握するためには欠かせない調査になる。

 一方、洋上風力発電のように広域な事業エリアで多数の地点の地質を調査する必要がある場合、SPTでは調査時間の長さとコストの高さが課題となる。そのため、洋上風力先進国である欧州では、円錐状のコーンを地盤に押し込みセンサーで地盤を調べるCPT(コーン貫入試験)調査が主流となっている。洋上風力発電市場の今後の拡大に対応するには、SPTとCPTを組み合わせた効率的な地盤調査方法の運用が必要になる。

 日本郵船とFugroは、すでに自航式CPT調査船の共同運航およびCPT調査サービスの国内展開に向けて提携している。今回、SPT調査を含む地盤調査全般で強みを持つ応用地質が加わることで、SPTとCPTの理想的な補完関係を実現するとしている。今後、協業の覚書に基づき、日本での洋上風力発電事業における総合的な海底地盤調査サービスの提供について、具体的な検討を進めていく。

 日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言するなど、脱炭素化社会の実現に向けてエネルギーシフトの動きを加速化している。そのなかでも洋上風力発電は、将来の主力電源のひとつに位置付けられ、2040年までに大型の火力発電所に換算して30基分以上に拡大するとされるなど、今後の市場拡大が最も期待される分野のひとつになっている。

  • 記事ランキング