「都市型」微細藻類の培養装置を実証、ビルや工場で運用

2021/01/29 23:40
工藤宗介=技術ライター
実証試験用フォトバイオリアクター
(出所:三菱化工機)
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ガラス管リアクターと免震外骨格構造フレーム
(出所:三菱化工機)
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 三菱化工機は、川崎市にある川崎製作所の構内に、都市型の藻類バイオマス生産を想定した培養装置を設置し、このほど微細藻類培養の実証試験を開始した。ガラスによる乾式閉鎖系のフォトバイオリアクターになる。1月14日に発表した。

 今回設置したフォトバイオリアクターは、ビルや工場で微細藻類を培養できるという特徴から、都市型のバイオマス生産装置になるという。大型台風や地震などへの対策を考慮し、飛来物対策や防振ゲル・連結ダンパーといった免震構造を取り入れた自立性の高い独自のリアクターフレームを開発した。
  
 2020年夏に設備を建設し、同年10月まで水運転などにより装置・設備を確認した。また並行して試験研究用の微細藻類種株を入手し、同年11月中旬から年末にかけて試験運転を兼ねて約1カ月程度、フォトバイオリアクターで微細藻類を培養した。

 その結果、リアクター部容量約250Lの実証設備で約600gの藻類バイオマスを生産した。これは、投入した種株の約13倍の収穫量となり、スギの木1本分に相当する1日平均約30gのCO2を吸収したと推量される。

 今後、温暖な時期になり培養条件も最適化すればCO2吸収も大幅に増えると考えられる。また実証試験では、隣接して設置する小型水素製造装置「HyGeia-A」が都市ガスから水素を製造する際に排出するCO2をフォトバイオリアクターに直接投入して微細藻類を培養する予定。

 同社は、1980年代から微細藻類に関する培養生産技術に携わり、バイオジェット燃料なども研究してきた。フォトバイオリアクターおよび生産した微細藻類によって、都市型バイオマス生産プロセス技術の開発や国内・東南アジア地域に適した培養装置のほか、微細藻類に関するさまざまな生産工程の機器・装置の開発を加速させるという。