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大ガスと東ガス、低圧太陽光から非FITでPPA締結、数千サイトを集約(page 2)

低圧事業用案件の新たな買い手に、稼働後の効率的な運営が課題

2021/02/04 22:20
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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低圧事業用案件の「復権」も

 大阪ガスと東京ガスの今回の発表は、いずれも連系出力50kW未満の低圧事業用太陽光を多数、新規開発して、小売電気事業に活用するという点で共通している。小規模な再エネ電源は、発電量予測が課題になるが、多数サイトをまとめることで、相対的に予測が容易になる利点もある。東京ガスは、これまでの電力事業で蓄積した需給管理や電力小売りに関するノウハウを生かすとしている。

 低圧事業用太陽光は、2020年度認定分から地域活用要件が適用され、「自家消費率30%以上」と停電時の自立運転機能を要件にFITによる余剰売電か、営農型と停電時の自立運転機能によるFIT全量売電に移行しており、従来型の野立て型案件の全量売電はFITが適用されない。今回、大ガスと東ガスが低圧事業用太陽光からの発電電力の長期安定的な買い手となることで、FITに頼らずに、従来型の野立て低圧事業用太陽光を開発できることなる。

 低圧事業用太陽光は、2022年度以降、フィード・インプレミアム(FIP)による政策支援もないことから、今後、新規開発が激減すると予想されているが、大手ガス会社のような信用力のある需要家が新たな買い手となり、ファイナンスを確保して新規開発が継続する可能性も出てきた。この分野は、特別高圧や高圧線に連系する大規模太陽光に比べ、立地に制約が少なく、開発余地が大きいだけに、今後も再生可能エネルギー開発で一定の規模を維持できる道が出てきた。

 ただ、低圧事業用太陽光については、1サイトの規模が小さく、特別高圧や高圧案件に比べると稼働後のO&M(運営・保守)の効率が悪いという課題もある。経済産業省が低圧事業用太陽光の政策支援を事実上、打ち切ったのも、運営コストの高さから、発電コストが下がらないと判断したからだ。今後、ウエストグループのO&M会社やエコスタイルが、多数の低圧事業サイトをまとめて管理・運営することで、こうした低圧事業用サイトの非効率性を克服し、運営の低コスト化を実現できるか、注目される。

 FITによって売電している既存の低圧事業用太陽光は、FIT期間終了後の事業継続が危ぶまれている。今回の動きを見ると、大手ガス会社を発電電力の買い手とし、連携するO&M企業による集約的な運営・管理が軌道に乗った場合、FIT期間満了後の低圧事業用案件の担い手として、さらに多数のサイトを束ねていくシナリオも想定される。

開発する小規模太陽光発電設備のイメージ
開発する小規模太陽光発電設備のイメージ
(出所:大阪ガス)
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