電力の市場価格高騰、「太陽光は原因ではなく、むしろ貢献」

2021/02/08 00:23
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ

 内閣府は2月3日、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」の第4回会合を開催し、昨年12月後半から1月の卸電力市場の高騰について議論し、卸価格高騰の要因の1つとして、太陽光の発電量低下が上げられていることに異論が相次いだ。

 会合では、冒頭に経産省が、卸価格高騰の要因を説明した。それによると、(1)厳しい寒さによる需要増、(2)悪天候による太陽光発電の発電量低下、(3)電力会社のLNG(液化天然ガス)在庫の減少に伴うガス火力の出力低下――などによる複合要因とした。

 これに対し、委員からは、「厳寒については、数年に一度レベルであり事前に想定できない範囲のものではない。実際に、厳寒による需要増は、2017年度と大差ないレベル」、「太陽光発電については、1月6日から1月12 日の全国の発電電力量は昨年度より増えており、地域差はあるものの、供給力として重要な役割を果たしている。実際に、昼間のスポット価格の抑制に大きく寄与している」とし、厳冬と太陽光は、今回の卸価格高騰の原因ではないとの見解を示した。そのうえで、「高騰の原因は、『売り入札減』による『高値張り付き』にあるがその要因は不明のため、真相を解明すべき」とした。

 さらに、「再エネが需給逼迫の一因でなく、むしろ供給力として価格抑制に貢献していること、主因が化石燃料の在庫不足だとすれば、再エネの導入こそ急ぐべきことなど、国民に対して正確な説明を行うべき」とし、一般消費者に誤解を与えたことへの対応を要望した。

卸電力市場・スポット価格における1日(1/15)の値動き
(出所:内閣府・再生可能エネルギー規制総点検タスクフォース・大林ミカ・川本明・高橋洋・原英史)
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 これに対し、経産省は、「太陽光は、供給力して大きく貢献しているが、夏場に比べると冬場が弱いことが課題と分かった。今回の高騰の原因が燃料不足にあるとすれば、容量市場のほかに燃料を確保させるような仕組みも検討する必要がある」などと述べた。

 また、河野太郎・行政改革担当大臣は、「卸価格高騰の原因に関する当初の説明が間違っていたならば、経産省は、報告徴収や立ち入り検査などの権限をフルに使って何が起きていたのか、きっちりと調査してほしい。また、電力・ガス取引監視等委員会は市場の番人としての役割を問われている。これまでの経緯を見ると、市場の設計に不備があると言わざるを得ない」などと述べた。