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独ハンブルクで「再エネ水素事業」計画、三菱重が参加

2021/02/09 19:48
工藤宗介=技術ライター
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独ハンブルク州におけるグリーンエネルギーハブ構想
(出所:三菱重工)
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 三菱重工業、スウェーデンのバッテンフォール(Vattenfall)、英蘭シェル(Royal Dutch Shell plc)、ドイツのハンブルク熱供給公社の4社で構成するコンソーシアムは1月22日、再生可能エネルギー由来の電力を利用して水素を製造する事業の実現可能性を共同で検討することで合意したと発表した。

 ハンブルク港近傍にあるモーアブルクで閉鎖予定の石炭火力発電所跡地を活用し、10MW規模の水電解プラントを建設する。将来の拡張も視野に入れ、CO2排出などの環境負荷が少ないクリーンエネルギーの中心地(グリーンエネルギーハブ)として発展させていくことを目指す。水素製造プラントの完成および運転開始は2025年ごろを見込んでいる。

 コンソーシアムを組むにあたり4社は、ドイツ政府やハンブルク州政府などからの支援を期待し、エネルギーの需要と供給全体を最適化する「セクターカップリング」についても検討することで合意した。また、洋上風力発電などの再エネ電源をベースに、将来的にどの程度のクリーンエネルギーを生産・供給できるかについても検討する予定。

 モーアブルクの同拠点は、380kVと110kVの送電網に接続され、周辺港湾から船舶向けの水素・アンモニア燃料の需要が見込める。また、現地のガス供給公社Gasnetz Hamburgは、10年以内に港湾内に水素ネットワークを構築する計画で、すでに必要な流通インフラの整備に着手している。モーアブルクにはグリーン水素の潜在的需要者が多く存在するなど、水素の生産・貯蔵・輸送といった水素バリューチェーン構築の適地としている。

 今回の共同事業において三菱重工は、欧州における各種産業用・発電プラント供給実績と水電解式水素製造技術に関する知見を利用し、水素製造に関する技術・エンジニアリング分野を担当する。また、需要をより最適化するためにデジタル技術を活用したメンテナンス・サービスの提供を検討する。さらに、産業顧客の水素活用プロセスの最適化や地域暖房インフラへの水素製造設備の統合なども担当する。

 コンソーシアムの4社は、欧州の公的な枠組みである「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI:Important Projects of Common European Interest)」に基づく公的補助を2021年上半期に申請する予定。

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