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東電RP、ノルウェー沖で浮体式洋上風力の実証事業に参画

2021/02/09 19:58
工藤宗介=技術ライター
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テトラ・スパー型浮体式洋上風力発電実証プロジェクトの竣工時イメージ
(出所:東電RP)
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テトラ・スパー型浮体の構造
(出所:東電RP)
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 東京電力リニューアブルパワー(東電RP、東京都千代田区)は2月4日、ドイツのRWE Renewables、英蘭Shell New Energies、デンマークのStiesdal Offshore Technologies(SOT)が共同で実施しているテトラ・スパー型浮体式洋上風力発電の実証プロジェクトに参画したと発表した。

 同プロジェクトは、テトラ・スパー型の浮体式洋上風力発電設備をノルウェー・スタヴァンゲル近くの沿岸約10km、深さ200mの海洋エネルギーテストセンターに設置するもの。テトラ・スパー型浮体は四面体構造に組み立てた鋼管と吊りキールから構成され、円筒形鋼管という標準的な部材を採用したことで浮体の産業化・コスト低減が期待できる。

 鋼管はデンマークの風車タワー製造会社Welconが製造し、2020年夏にデンマークのグレーノ港に輸送して組み立てた。組立時に溶接など特別な工程が不要であるほか、浮体の製造・組立に必要な方法を検証し、主要プロセスの工期を短縮できたことにより、2カ月未満という短期間での組み立てを実現したという。

 今後、浮体部分を進水させ、陸上クレーンを使って風車を搭載する。その後、風車と浮体を実証サイトまで曳航し、3本の係留索で海底に固定して送電網に接続する。スペインSiemens Gamesa Renewable Energy製の風車(出力3.6MW)を使用し、2021年夏に試運転を開始する予定。

 テトラ・スパー型浮体は、産業化を念頭に設計されており、部材を地元工場で製作するなど地域のサプライチェーン構築や、製造・組立・設置の低コスト化が期待できる。また、海水面と浮体の触れる面積が小さく波や潮流の影響を受けにくいため、日本の自然条件下でも適用できる可能性があるという。

 東電RPは、テトラ・スパー型を浮体式洋上風力技術のひとつとして有望であると判断し、今回の実証研究に参画した。東京電力グループの一員として培ってきた電気事業のノウハウを提供する。早期に技術・ノウハウを獲得し、2020年代後半以降に浮体式洋上風力発電の日本における大規模ウィンドファームの実現を目指す。

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