BMWが「太陽光アルミ」採用、UAEアルミ大手が世界初の量産

2021/02/12 18:16
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
Emirates Global Aluminiumのアルミ工場
(出所:EGA)
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 アラブ首長国連邦(UAE)のアルミニウム大手である、エミレーツ・グローバル・アルミニウム(Emirates Global Aluminium:EGA)は2月2日、世界初となる「太陽光による発電電力で製造するアルミニウム製品」を、自動車大手のドイツBMWグループに供給すると発表した。

 EGAによると、太陽光でアルミニウムを商業生産するのは、世界初となるとし、その製品を「CelestiAL aluminium」と称している。その最初の顧客が、BMWグループになったとしている。

 BMWグループは、2013年にEGAから調達をはじめた。EGAは今回の太陽光で製造するアルミニウムを年間4万3000t、BMWグループに供給する予定としている。今回のアルミへの切り替えによって、BMWグループはサプライチェーンにおけるCO2排出量を、年間22万2000t削減できることになる。

 アルミニウムの製錬工程は、電力を大量に消費することからエネルギー消費量の多い分野の1つとなっている。EGAによると、世界の産業分野における、電力消費に伴うCO2排出量の約60%をアルミニウム製造が占めているという。その使用電力を太陽光由来に切り替えれば、CO2排出の削減効果が大きい。

 太陽光で製造するアルミニウムのBMWグループとの年間供給契約は、数億ユーロの規模である。

 調達量は、BMWグループの欧州における軽金属鋳造の製造拠点(Plant Landshut)の年産能力のほぼ半分に達する。この拠点では、2020年には、シリンダーヘッドやクランクケースなどのエンジン部品のほか、電動パワートレイン関連部品、車体部品など約290万個の鋳物製品を生産した実績がある。

 EGAは、太陽光を使って製造するアルミニウム製品の量産を、2月に開始した。ドバイ首長国・ドバイの郊外の砂漠に立地する「Mohammed Bin Rashid Al Maktoum Solar Park」が電力を供給している。

 「Mohammed Bin Rashid Al Maktoum Solar Park」から、EGAのアルミ製錬所には、初年度は年間56万MWhの太陽光由来の電力を供給する。初年度に必要な年間4000tのアルミニウムの生産を十分に賄える量で、今後、大幅に拡大していく。

 「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park」は、1カ所に立地する再エネ発電プロジェクトとしては世界最大規模で、Dubai Electricity and Water Authority (DEWA:ドバイ電力水道庁)が開発・運営している。

 すでに出力1013MWが稼働済みで、2030年までにさらに太陽光パネルと集光型太陽熱発電(CSP)を増やし、合計出力5000MW(5GW)に拡大する計画となっている(関連ニュース:世界最安「1.6953セント/kWh」のメガソーラー)。