ニュース

米IBM、2030年・脱炭素、「再エネ証書」利用せず達成へ

2021/02/20 22:05
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
IBMのグローバルでの電力消費に占める再エネの割合
(出所:2019 IBM and theEnvironment Report)
クリックすると拡大した画像が開きます

 米IBMは2月16日、2030年までに温室効果ガス排出量のネット・ゼロを目指すと発表した。再生可能エネルギー証書などの環境価値を利用するのではなく、事業展開する175カ国以上で実際の排出量を削減し、エネルギー効率の向上や再エネ使用量の増加について優先して取り組む。

 ネット・ゼロ目標達成に向けて、2025年までに温室効果ガスの排出量を2010年比65%削減する。また、削減に向けて事業全体で可能な限り実行した後も残ると考えられる残留排出量についても具体的な数値目標を設ける。

 2025年までに世界中の消費電力の75%を再エネ電源から調達し、2030年までに90%まで拡大する。さらに残存排出量と同量以上のCO2を排出除去するため、2030年までに実現可能な炭素回収技術などを利用する。再エネ使用量については透明性を持って計算・報告し、自社が実際に消費可能なエネルギー量をベースに目標を立て、関連のない分離販売再エネ証書(環境価値)は購入しない。

 同社は、1971年に企業環境ポリシー・ステートメントを初めて発表。1990年以降、廃棄物の管理、エネルギーの節約、再エネ電力の使用、CO2排出量の削減、革新的な商品サービス開発などの実績をコーポレート環境レポートとして毎年発表している。2007年には「温室効果ガスの大気内濃度を一定に保つために世界規模で有意義な行動が求められている」との声明を発表、2015年にはパリ協定への支持を表明している。

 また、持続可能性へのコミットメントと、主要な社会的課題の解決に科学技術を応用する取り組みの一環として、IBM Researchでは気候変動への対応策の開発加速を目的としたFuture of Climateイニシアチブを発足。同社の研究員は、クラウドやデータセンターにおけるカーボンフットプリントの増大、環境や気候パターンの変化がもたらすリスクを正確にモデル化して評価する方法、排出源で炭素を回収・吸収できる材料の開発など、気候に関する複雑な課題に取り組んでいる。

  • 記事ランキング