出光が小型EV事業、年間100万台の需要想定、太陽電池搭載も

2021/02/22 22:22
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
開発中の車両
開発中の車両
(出所:出光興産)
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SSを起点にサービスを広げる
SSを起点にサービスを広げる
(出所:出光興産)
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 出光興産は2月16日、小型EV(電気自動車)に参入すると発表した。タジマモーターコーポレーション(東京都中野区)と、小型EVなどの次世代モビリティと関連サービスを開発する。

 両社による合弁企業「出光タジマEV」を4月に設立する。

 タジマモーターの関連会社であるタジマEVに出光興産が出資し、商号を変更する。出光興産の給油サービス拠点(SS)のネットワークと素材開発技術、タジマモーターの車両設計の技術を融合し、移動に関する潜在的ニーズに応える新たな発想のモビリティを提供するとしている。

 出光タジマEVとして初となる車両は、2021年10月に発表し、2022年の市場導入を予定している。

 小型EVを製造・販売するだけでなく、車載用太陽電池、次世代蓄電池(バッテリー)の採用、自動運転技術の開発、新たなサービス形態の展開、デジタルプラットフォームの構築、リサイクルシステムの開発に取り組む。

 小型EVと関連サービスは、岐阜県飛騨市・高山市、千葉県館山市・南房総市における2年間の実証実験から事業化を決断した。

 高齢者層の免許返納に伴う移動のニーズが急増していたことや、運転経験の浅い層に買い物や子供の送迎ニーズが高まっていることがカギとなった。近隣地域を営業などで足を運ぶ際にも軽自動車ほどの性能は要らないことがわかったという。

 こうした既存の移動手段が適していない層の存在に着目し、それらに応える小型EVの需要規模は年間100万台に達すると想定した。手軽で小回りの利く、最小限の機能を備えたモビリティ、デジタル技術を活用した利用の仕組み、法人と個人を組み合わせた新たな利用モデルを提供するという。

 合弁の出光タジマEVではまず、2020年9月に国土交通省が発表した超小型モビリティの規格に準拠した4人乗りの車両を開発する。

 また、シェアリングや定額で利用可能なサブスクリプションサービスのほか、変化する利用者のニーズに合わせた次世代モビリティサービス(MaaS)を開発し、出光興産の国内6400カ所の給油サービス拠点のネットワークで提供する。

 さらに、系列のSSで展開している電力小売りと小型EVを組み合わせた新たなサービスの開発、高齢者の運転状況を見守る仕組み、個々の車両を蓄電池と見立てた分散型エネルギーシステムの構築、車両・バッテリーのリサイクルシステムなど、新たなモビリティサービスの開発に取り組む。