都内で再エネ展示会、運用の効率化でノウハウ競う

除草剤ロボットや獣害フェンス、パネル上作業台などO&Mの新兵器も

2021/03/03 23:05
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)など5社が共同出展
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レインボー薬品は除草剤の自動散布ロボットを展示
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ネグロス電工は太陽光パネルの作業台「パネルウオーク」を展示
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久野商事の獣害フェンス
イノシシがフェンスと地面との境を掘りにくくしている
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ネクストエナジー・アンド・リソースのソーラーカーポート
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日栄インテックのソーラーカーポート
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ニプロンは、ソーラーカーポートと電気自動車(EV)充電ステーションを併設
(出所:日経BP)
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 「スマートエネルギーWeek 2021」(3月3日~5日)が、東京ビッグサイト(東京都江東区)で始まった。太陽光やバイオマス、風力など再生可能エネルギーのほか、蓄電池や燃料電池などスマートグリッドに関連した1000社以上の企業が出展した。

 今回は、昨年10月に菅首相が「2050年カーボンニュートラル」目標を公表した後、初めての大規模なクリーンエネルギー系の展示会になった。新型コロナウイルス感染予防に配慮しながらも、多くの業界関係者が訪れた。

 基調講演に登壇した経済産業省の清水淳太郎・新エネルギー課長は、再エネの政策動向を解説した。そのなかで政府のグリーン成長戦略に盛り込んだ2050年の電源構成に「再エネ比率50~60%」を明記したことに触れ、「この比率はあくまで参考値だが、これを実現するには、太陽光の導入量は100GWかそれ以上も期待される。そうなると最低でも今後、毎年3~4GW程度の新規導入を積み上げるくらいの規模感になる」と語った。

 展示会場では、今後の脱炭素に伴う再エネ大量導入によって新市場の創出が予想される洋上風力や蓄電池、水素関連のほか、すでに導入の進んでいる太陽光発電では、アセットマネジメントやO&M(運営・保守)の効率化に関する展示が目立った。

 オリックスグループのオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM:東京都江東区)は、太陽光発電所のアセットマネジメントやO&M関連サービスを展開する5社で共同出展した。パワーコンディショナー(PCS)大手の東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、遠隔監視・制御システムのオーナンバ、除草剤のレインボー薬品、ドローンを使った調査・土木評価査定のジオシステムという、各分野のトップ企業5社だ。

 OREMの百合田和久副社長は、「アセットマネジメントはそれぞれの分野で専門知識を持つ企業が連携することが重要。発電所の運営経験が豊富なオリックスグループの視点からこれら企業と連携することで投資対効果を最大にすることを目指している」と言う。

 メガソーラーのO&Mでは、稼働して年数を経るにつれ、機械による除草コストが高まっている。レインボー薬品は展示会場に除草剤を自動散布する新型ロボットを持ち込んで、遠隔による操作などを実演した。TMEICは、PCSを納入した顧客とのコミュニティサイト「my.TMEIC」を立ち上げる計画を公表した。ウエブサイトを通じて使用機器の情報や点検の申し込み、ウエブセミナーの閲覧など、顧客サポートを充実させたいとしている。
 
 このほか、ネグロス電工(東京都江東区)は、太陽光パネルのカバーガラス面に足を載せずにアレイ(パネルの設置単位)の上を移動できる作業台「パネルウオーク」を展示。久野商事(名古屋市)は、イノシシなど獣害に対応したフェンスを展示するなど、O&Mでの悩みを解決するための新製品をアピールしていた。

 太陽光の新設市場では、今後の立地制約を克服する手段として注目されるソーラーカーポートの展示が目立った。ネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ケ根市)や日栄インテック(東京都荒川区)が実機を展示したほか、ニプロン(兵庫県尼崎市)は、ソーラーカーポートと電気自動車(EV)充電ステーションを併設し、太陽光の電力でEVに充電するシステムを紹介した。