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210mm角のセルで「660Wパネル」、トリナ・ソーラーが出展

2021/03/03 23:54
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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パネルの長辺は238mmと大きい
パネルの長辺は238mmと大きい
(出所:日経BP)
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両面発電のタイプの裏面
両面発電のタイプの裏面
(出所:日経BP)
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 中国の太陽光パネル大手であるトリナ・ソーラーは、「スマートエネルギーWeek 2021」(3月3日~5日、東京ビッグサイトで開催)において、従来より寸法を大きくしたセル(発電素子)を使った大規模案件向けのパネルを参考出展した。

 単結晶シリコン型の132枚のハーフカットセル(切断前のセル換算で66枚)で構成した。両面発電の製品と、片面発電で樹脂のバックシートの製品を発売する予定で、いずれも仕様上の出力は660W/枚となっている。世界初公開としている。

 同社は、この製品で210mm角のセルを採用する。半導体分野では主力の直径300mmのウエーハを使って製造する。

 太陽電池セルは、中央演算処理装置(CPU)やメモリーといった情報処理分野の半導体製品に比べて、材料の純度、製造プロセスの精度などとコストのバランスが相対的に低く、製造には1世代前の直径200mmなどのウエーハが使われてきた。

 世界的に太陽光発電のコスト低下への圧力が強まっている中で、太陽光パネルの大手各社はセルの製造を300mmウエーハにシフトする動きを加速している。より広い面積のセルを使うことで、パネルの出力当たりのコストを下げる狙いがある。

 これは、同社に限らず中国の太陽光パネル大手メーカーに共通する動向である。メーカーによって、セル角の寸法は異なる。

 トリナ・ソーラーでは今後、世界全体でこの210mm角のセルをメインに製造・販売していくとしている。

 屋根上向けでは、先行して210mm角のセルによる製品を発売している。景観などの要望に合わせて、未着色のアルミフレームと従来の白色バックシートの製品(出力405W/枚)、アルミフレームを黒く塗った製品(同)、アルミフレームを黒く塗った黒色バックシートの製品(出力395W/枚)を用意している。

 セルの寸法の大型化は、パネルの大型化にも直結する。これは既存の発電所において、運用上の問題も出てくる。従来サイズのパネルを不具合で交換する際、同じ寸法、同じ出力の製品の入手が難しくなるという点である。

 特に日本では、固定価格買取制度(FIT)で売電しているサイトの場合、事業性に大きく影響することもある。FITのルールでは、認定後にパネルの出力を3kWもしくは3%増加した場合、変更認定となり、買取価格が低下しかねない。

 太陽光パネルメーカーの技術革新で、年ごとにパネルの効率が向上することは、業界にとって利点だが、FIT上の認定品を入手しにくくなる点では、リスクとなっている。

 トリナ・ソーラーの場合、損壊した枚数が数百枚単位など、生産規模が一定以上に達した場合、旧製品を製造して交換に対応しているという。

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