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温対法・改正法案を閣議決定、自治体が再エネ開発に主体的に関与

2021/03/04 22:54
工藤宗介=技術ライター
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自治体がゾーニングなどで再エネ開発に主体的に関与する
(出所:環境省)
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 環境省は3月2日、温暖化対策推進法(温対法)の改正案が閣議決定されたと発表した。「2050年カーボンニュートラル」を基本理念として法に位置付けるとともに、その実現に向けた具体的な方策として、地方自治体が再生可能エネルギー導入目標を設定し脱炭素を促す。地域の求める方針に適合する再エネ活用事業を市町村が認定する制度を導入し、再エネ開発に関する円滑な合意形成を促進する。

 従来、自治体が再エネ開発に関与する仕組みとして農山漁村再エネ法があったものの、この枠組みの利用は限定的だった。今回、自治体に再エネ導入目標を設定させることと並行し、温対法の枠組みの中で、地域の再エネ開発エリアを設定し、自治体が関与しつつ大規模な再エネが導入しやすい環境を整える。

 日本政府は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言した。環境省は2020年10~12月に「地球温暖化対策の推進に関する制度検討会」を開催し、地球温暖化対策のさらなる推進に向けた今後の制度的対応について取りまとめた。今回、これを踏まえ、温対法の一部を改正した。

 改正法案では、国民を始めとした関係者の密接な連携などを、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定した。これにより、政策の方向性や継続性を明確に示し、国民・自治体・事業者などに対して予見可能性を高め、イノベーションを促進する。

 地域の再エネを活用した脱炭素の推進に向け、自治体の実行計画に再エネ導入目標を追加するとともに、市町村は「地域脱炭素化促進事業」に関する促進区域や環境配慮・地域貢献の方針などを定めるよう求める。地域脱炭素化促進事業計画に認定された事業に対しては、関係法令の手続きのワンストップなどの特例を導入し、円滑な合意形成を促進する。

 企業の温室効果ガス排出量にかかる算定・報告・公表制度は、電子システムによる報告を原則とした。事業所ごとの排出量情報を開示請求の手続なしに公表される仕組みとし、透明性を高める。法改正と併せて、報告者・情報利用者の双方にとって利便性の高いシステムを構築する。また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、事業者向けの啓発・広報活動を追加する。

 施行期日は、一部を除き、公布の日から起算して1年を超えない範囲で政令で定める日とする。第204回通常国会に提出する予定。

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