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福島県楢葉町、「ゼロカーボンシティ」宣言、再エネの地産地消を推進

2021/03/07 19:11
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「復興感謝祭2021・楢葉ならでは祭」でゼロカーボンを宣言
(出所:日経BP)
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復興拠点の調整池に設置した水上太陽光
(出所:日経BP)
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遊休農地を活用した「波倉メガソーラー発電所」
(出所:日経BP)
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アンフィニ福島工場に設置した屋根上太陽光
(出所:日経BP)
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 福島県楢葉町は3月7日、同町コミュニティセンターで「復興感謝祭2021・楢葉ならでは祭」を開催し、そのなかで「ゼロカーボンシティ」を宣言した。

 2050年までにCO2排出を実質的にゼロにすることを目指す。具体的には、(1)再生可能エネルギーの推進、(2)省エネの推進、(3)SDGs(持続可能な開発目標)達成への取り組み――の3項目を掲げた。

 ゼロカーボンシティ宣言は、環境省が推進している脱炭素に向けた取り組みで、3月5日現在で、305自治体(33都道府県、182市、3特別区、68町、19村)が表明している。福島県内では、郡山市、大熊町、浪江町、福島市、広野町がすでに宣言している。

 福島県では、県自体が東日本大震災による原発事故を機に、「2040年をめどに県内の1次エネルギー需要量の100%以上に相当するエネルギーを再エネから生み出す」という目標を掲げている。この目標は、南相馬市などに稼働している合計数百MW規模のメガソーラーや内陸部で計画中の合計数百MW規模の風力が稼働すれば達成の見込みが立っている。

 ただ、これらの巨大再エネプロジェクトは東京電力パワーグリッドの送電線に連系して首都圏に送電するケースも多く、必ずしも「エネルギーの地産地消」にはなっていない。福島県内の自治体によるゼロカーボンシティ宣言では、エネルギーの地産地消を標ぼうしており、今後、各自治体内に新規に再エネを開発し、地域新電力など通じて、自治体内に供給する仕組みを目指すことになる。

 今回、ゼロカーボンを宣言した楢葉町では、「地域と共存できる再エネをつくり、蓄え、使うことにより環境と産業との間に好循環を生み出す」としており、自治体内で発電した再エネ電力の出力変動を蓄電池や水素製造などによって平準化し、自家消費率を高める仕組みをイメージしている。

 楢葉町内には、すでに13.8MWの「波倉メガソーラー発電所」が町も出資する形で建設し、売電しているほか、同町内で太陽光パネル工場を運営するアンフィニ(大阪市)は工場建屋に約1.5MWの自家消費型メガソーラーを稼働させている(関連記事:楢葉町がメガソーラー「経営」、14MWを農地転用)(関連記事:太陽光によるシェアサイクル、楢葉町でスタート)。

 楢葉町では、「今回の宣言を踏まえ、今後、具体的な再エネ開発の方向性などを詰めていく」としているが、まず、公共施設の電力需要を地域の再エネで賄うことを目指し、次に民間事業所や住宅を含めた、市内の全電力需要を再エネで賄うなど、段階的にゼロカーボンの範囲を広げることを目指すとしている。

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