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帝人、豪ベンチャーとEV向け「ソーラールーフ」開発

2021/03/09 09:48
工藤宗介=技術ライター
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ソーラールーフ搭載LS-EVプロトタイプ
(出所:帝人)
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ソーラールーフ
(出所:帝人)
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 帝人は3月2日、電気自動車(EV)のプラットフォーム(車体)を開発するオーストラリアのベンチャー企業であるApplied EV(AEV)と共同で、ポリカーボネート樹脂製の近未来モビリティ向けソーラールーフを開発したと発表した。

 両社は、2019年から低速EV(LS-EV:Low Speed Electric Vehicle)を共同で開発している。これまでの成果として、用途に合わせた車体を搭載して自動走行が可能な多目的LS-EV向けプラットフォーム「Blanc Robot」を開発した。

 今回開発したソーラールーフは、帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト グレージング」を表層に採用した。同社のポリカーボネート樹脂の知見を活用し、ガラスでは難しい車体ルーフに適した曲面形状を一体成形することで、求められる強度や剛性を実現したという。

 ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性に優れる一方で耐候性に課題があり、屋外での長期間の使用には適切な加工が必要となる。「パンライト グレージング」は、同社の独自のハードコート技術を活用することで、自動車に要求される10年相当の耐久性を実現した。

 ソーラールーフに搭載した太陽電池セル(発電素子)は、オーストラリアの日照条件下のテストにおいて一般的な太陽光パネルと同等の出力約330Wを記録した。また、一般車両向けLS-EVを想定し容量10kWhの蓄電池を搭載したプロトタイプ車体をオーストラリアの日照条件下で試験した結果、1回の充電で連続走行できる航続距離が30~50km(最大約30%)伸びることを確認した。

 両社は今後、各部品に帝人の高機能素材や技術を活用した量産向け軽量LS-EVを2022年後半に実用化することを目指す。製造過程から完成車の駆動までのエネルギー効率を総合的に評価する「Well to Wheelゼロエミッション」の視点で開発を進める。

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