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美作市「太陽光パネル新税」が否決に、議会委員会で賛成ゼロ

2021/03/16 01:06
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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美作市の目指す「事業用太陽光パネル税」条例案は総務委員会で否決された
(出所:日経BP)
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 岡山県美作市の市議会は、3月15日に総務委員会を開き、美作市が導入を目指している「事業用太陽光パネル税」を創設する条例案を審議し、全会一致で否決した。これにより、3月25日に開かれる市議会の定例会本会議でも、否決される可能性が高まった。

 パネル新税の条例案に関しては、当初、市は2020年度からの導入を目指し、2019年6月の定例議会に法案を提出した。だが、納税義務者への説明が不十分などの課題が指摘され、その後の議会でも採決に至らず、継続審査が続き、結論が先送りされてきた。

 今回、美作市議会は4月11日に改選を控えているため、採決によって結論を出す必要に迫られた。その結果、委員長を除いた5人全員が反対の立場から意見を表明し、採決の結果、賛成ゼロで否決された。定例本会議では、議案を担当する委員会での結論が尊重されることから、3月25日の本会議でも否決される公算が高い。その場合、今後の焦点は、市当局が、条例の内容を修正したうえで、改選後の議会に再提出するのか否かになる。

 「太陽光パネル税」は、地方税法に基づく法定外目的税で、事業用太陽光発電所のパネル設置面積に応じ、発電事業者に課税するもの。具体的には、パネル1m2当たり50円を5年間、課税する。課税対象は、出力10kW以上の野立てタイプの事業用太陽光発電所で、建築物の屋根上に設置した太陽光パネル、連系出力50kW未満で地目が田んぼか、かつて田んぼだった用地に建設した案件は課税対象から外す。

 税収は1年で約1億円、5年間で5億円を見込んでいる。税収の使途(目的)は環境保全と防災対策のほか、町民の生活環境の維持向上としている。

 「事業用太陽光パネル税」を巡っては、法定外目的税に求められる条件をクリアできるのか、という点が議論となってきた。条件とは、「既存の税と二重課税にならないこと」「税収の使途が正当であること」「国の政策と整合していること」という3つの要素に加え、導入に際しては「納税義務者の理解が得られているか」も重視される。

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