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金鉱山で「バイナリー発電」、湧出する温泉水を利用

2021/03/18 21:21
工藤宗介=技術ライター
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導入したバイナリー発電機
(出所:住友金属鉱山)
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 住友金属鉱山は3月10日、鹿児島県北部に位置する金鉱山「菱刈鉱山」に温泉熱を利用した自家消費用バイナリー発電設備を導入し、2月から稼働したと発表した。自然発生する温泉熱を利用して発電することで、温室効果ガス排出量の削減が期待できる。

 菱刈鉱山では、坑内で湧出する温泉水を毎分9000Lポンプで汲み上げており、約3分の2は冷却・水処理して河川に放流、約3分の1は第三セクターを通じて地元の温泉旅館など受湯家に供給している。現在進めている下部鉱体開発に伴う湧水場所の変更により温泉水の温度が上昇することから、従来の温度で温泉を供給するための冷却方法として回収熱を有効利用できるバイナリー発電機に着目した。

 米アクセスエナジー(Access Energy)製の小型バイナリー発電機「Thermapower125XLT」を導入した。年間発電量は約57万kWhを見込み、坑内使用電力量の約2%に相当する。発電設備の納入および施工は、第一実業(東京都千代田区)が担当した。

 導入にあたっては、三井住友ファイナンス&リースとリース契約を締結。同社の協力のもと、環境省および同省執行団体である公益財団法人・日本環境協会が公募した「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」を取得して導入コストを削減した。

 住友金属鉱山は、長期ビジョンとして「温室効果ガス(GHG)排出量ゼロ」を掲げている。今回のプロジェクトは、その一環となる。

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