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丸紅、英でV2G実証、屋根上太陽光からEV充電も

2021/03/25 18:28
工藤宗介=技術ライター
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実証実験の様子
(出所:丸紅)
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 丸紅は3月15日、英国において電気自動車(EV)の車載蓄電池を利用して、ビルなどの建物に最適なタイミングで電力を供給するV2B(Vehicle to Building)サービス、および電力系統向けに周波数制御や需給バランスを調整するV2G(Vehicle to Grid)サービスの実証実験を開始すると発表した。

 丸紅の英国子会社で電力小売事業を手掛けるSmartestEnergy、EV販売・サービスを手掛けるMarubeni Auto Investment (UK)を中心に、英国のエネルギー関連サービス企業であるOrigami Energy(エネルギートレーディング関連システム)、Grid Edge(エネルギー管理サービス)、Virta(EV充放電関連サービス)を協力パートナーとして、V2B・V2Gサービスの商業化を検討する。

 英国レッチワースに所在するMarubeni Auto Investment (UK)傘下の自動車販売店ノートンウェイニッサン(Norton Way Nissan)に、建物および駐車場の屋根上に太陽光パネルと、EV双方向充電器を設置した。太陽光発電の出力は45kWで、ノートンウェイニッサンの使用電力の3割弱を賄える。また、EVの「日産リーフ」の充電にも利用できる。

 実証実験では、EVの蓄電池2台分および太陽光発電を利用した電力のピークカット、ピークシフト、基本料金超過抑制などの制御を行う。また、日常利用の条件下におけるEVの調整力を利用した電力トレーディング(電力系統と接続しての需給調整)を行う。期間は2022年2月までの1年間の予定。

 英国では、2019年6月に国全体における温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を法制化した。それに伴い、需要家自身が再生可能エネルギー発電設備を保有し自家消費するとともに余剰時に売電し、不足時に買電する双方向の供給構造への変化が見られ、自然条件で変動する大規模再エネ電源の導入拡大によって電力需給調整による電力系統安定化のニーズが高まっている。

 また、自動車業界においても、ガソリン・ディーゼル車の新車販売を2030年から禁止する方針を発表。今後EVの販売時には、EVを利用した住宅、ビル、事業所などでの電力供給・エネルギー管理サービスなどのワンストップサービスのニーズが高まると予想されている。

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